現代では、もみじと言えば「紅葉」するカエデを指すことが多いですが、万葉集の時代には「黄葉」と表記していました。万葉人の気分になって、黄葉を楽しむもみじ狩りをしてみませんか。
黄葉と紅葉の違いとは
もみじは上代には「もみち」と発音され、黄色を基調に色づいた葉全般を指したと考えられています。葉にはもともと緑色と黄色の色素があり、黄葉するのは、落葉前に緑色の色素が分解されて黄色の色素が目立つようになるため。紅葉は、緑色の色素が分解されると同時に赤色の色素が作られるためです。
本願寺の逆さイチョウ
西本願寺の御影堂前で、広く大きく枝葉を広げるイチョウの大木。根っこを天に広げたように見えることから「逆さイチョウ」と呼ばれるようになったと言われています。火災があった時に水が噴き出し火を消したという言い伝えから、水吹きイチョウとも呼ばれています。
本能寺の火伏せのイチョウ
本能寺境内の東側、信長公廟の側にそびえるイチョウは、「火伏せのイチョウ」と呼ばれています。天明の大火(1788)の時、このイチョウが水を噴き上げ、炎から逃れてイチョウの元に集った人々を救ったそう。市民から愛されるこのイチョウは、京都市の保存樹に指定されています。
平岡八幡宮のオハツキイチョウ
2016年、平岡八幡宮の参道で、とても不思議なイチョウが発見されました。それがこのオハツキイチョウ。漢字で書くとお葉付き銀杏で、葉とぎんなんがくっついているのが特徴。全国でもあまり見られず、京都市内では初めて見つかったという珍しい木です。
河原院跡のエノキ
黄色く色づくのはイチョウだけではありません。エノキも鮮やかな黄色に染まり、秋の風景に彩りを添えます。源融の邸宅・河原院跡にそびえるエノキの大木は、かつてここにあった大邸宅を偲ばせる唯一の木。風流な都人の生活を想像しながら、エノキの黄葉を楽しみましょう。