各地で紅葉が見頃を迎え、京都の秋もいよいよ本番に。紅葉の名所である嵐山は、連日いっそう多くの観光客で賑わっています。嵐山から北へ進んだ奥嵯峨野の直指庵は、そんな喧騒から離れ、ゆっくりと紅葉が楽しめる隠れスポットです。
自然に囲まれたやすらぎの空間
直指庵へは、真言宗大覚寺派大本山の大覚寺からさらに北へと進みます。田畑が広がるのどかな風景を見ながら小道を進んでいくと、竹林に静かに佇む直指庵が。
境内には葦葺の本堂や阿弥陀如来坐像を祀る阿弥陀堂、開山堂などがあります。春の桜や石楠花(しゃくなげ)に夏の紫陽花や青もみじ、秋の紅葉に冬の椿や蝋梅(ろうばい)と、訪れるたびに季節の移ろいを感じることができます。
秋色に染まる境内を眺めながら
紅葉は見頃を迎え、境内は鮮やかに彩られています。葦葺の本堂にかかる楓は真っ赤に染まり、青々とした竹林や苔と紅葉との見事なコントラストが楽しめます。
本堂には「想い出草」というノートが置かれています。「そっとその意地を私の心(ノート)にすててください 苦しむあなたをみているのがつらいのです」とメッセージが添えられ、訪れた人が悩みや苦しみを綴っていくのです。そうして書かれた想い出草ノートは、実に5000冊以上。美しい景色を眺めながら、思いの丈を綴ってみるのもいいかもしれません。
阿弥陀堂は秋の特別公開中
阿弥陀堂では、紅葉の時期に合わせて特別公開が行われています。阿弥陀如来坐像や千手観音菩薩立像など、普段は目にすることができない様々な寺宝を見ることができるのです。また阿弥陀堂前には枯山水庭園が広がっています。白砂に色づいた葉がはらりと落ちていく様子は、何とも言えない風情があります。
特別公開は12/4(日)まで。直指庵を訪れ、深まる秋を感じてみませんか?