地形が船に似ていることから名付けられたという船岡山。小高い丘陵で、手軽なハイキングコースとしても人気です。歴史に思いを馳せ、自然に親しみながら散策してみましょう。
歴史的価値から見る船岡山
船岡山は、聖徳太子の時代には既に文献に登場する歴史ある山です。平安京造営の際には北方守護の玄武の山とされたという説もあり、宮中行事が執り行われたり、貴族が遊宴や狩猟に訪れたりする重要な山でした。一方で、保元の乱では源為義の処刑が行われ、応仁の乱の戦地になったことも。後に豊臣秀吉が大徳寺に寄進し、昭和6年には山一帯が船岡山公園になりました。
船岡山は自然の宝庫
船岡山は標高約112メートル、東西約200メートル、南北約100メートルの孤立丘陵。山を巡るように整備された散策路を歩いてみましょう。あちこちに露出した岩肌は、自然の荒々しさを垣間見せて厳かな雰囲気です。野鳥や四季折々の花も多く見られ、町中とは思えない豊かな自然に巡り会えます。
船岡山でハイキングを楽しもう
船岡山の頂上付近には展望台が設けられ、京都の町並みが見渡せます。北側の公園付近にある東屋は、送り火の「大」や「妙法」、「舟形」を一望できる人気のスポットです。今宮神社や大徳寺からは徒歩5~10分、金閣寺からもバスを利用して10分ほどなので、観光のついでに立ち寄って、ひと味違う京都の思い出を持ち帰るのもいいですね。