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京都伝統工芸館EC

京都伝統工芸館でスゴ腕の若手職人たちに出会う!

京都伝統工芸館 - 絵付け2

竹工芸や木彫刻、漆工芸といった日本に伝わる伝統工芸を学ぶ、京都伝統工芸大学校。この学校で技術を習得した学生や講師の作品を一堂に展示しているのが、中京区にある京都伝統工芸館です。ここでは、若手職人のものづくりも間近に見ることができます。

これが学生作品!? 圧巻の技術力を見る

地下鉄・烏丸御池6番出口から徒歩1分というロケーション。1階の企画展にはジャンルを問わず精緻を極めた美術品が並び、2階には数々の芸術賞を受賞した学生作品を見ることができます。

京都伝統工芸館 - 入り口
入り口サインには、皇太子殿下やブータン国王がご視察されたことが刻まれている。
京都伝統工芸館 - 1階
1階の企画展コーナーは、伝統工芸だけでなく、多様な分野の作品を展示している。
京都伝統工芸館 - 2階
2階へ上がって正面へ進めば、学生作品の並ぶギャラリーだ。
京都伝統工芸館 - 木彫刻キリン
数々の賞を総なめにしたという木彫刻科4年生の作品は、雲の上を駆けぬけるような、躍動感あふれる霊獣キリン。
京都伝統工芸館 - 香炉と香合
蒔絵科4年生による香炉と香合は、遠目にも鮮烈な印象。
五種類の花と虫がモチーフ。
京都伝統工芸館 - 釈迦如来像、持国天、多聞天
異彩を放っていた釈迦如来像、持国天、多聞天の三体は、遠く東南アジア、ブータンからの留学生による作品。
3階では若手職人たちが鋭意制作中。

3階奥では、若手職人たちが制作中。彼らは京都伝統工芸大学校のOBです。話しかけると気さくに応じてくれます。

京都伝統工芸館 - 絵付け1
絵付けの性能を一定に保つため、まくらを抱いて作業するという新川宏樹さんは、平成22年度の陶芸専攻科の卒業生。
京都伝統工芸館 - 絵付け完成品1
新川さんが絵付けされた皿。「黒を基調」とあるが、黒といっても単純な黒ではない、青の深さや紅色すら感じさせる、なんとも色気のある黒だ。
京都伝統工芸館 - 絵付け完成品2
希望者はその場で購入することも可能。
京都伝統工芸館 - 木彫刻1
「使う道具に特別なものはありません。小学校の図画工作で使ったような道具がメインなんですよ」と話してくれた岡谷亜友美さんは、木彫刻専攻の卒業生。他との差別化をはかるため、得意の動物モチーフに特化し制作しているという。
京都伝統工芸館 - 木彫刻2
木の質感があたたかい。キリンの親子が巧みに彫られたネックレス。
京都伝統工芸館 - 木彫刻3
お尻から足のラインが写実的で愛らしい。
京都伝統工芸館 - 漆器1
麻のひもをたくみに動かして漆器をつくっていく嶋澤敦彦さんは、平成7年度の漆工芸専攻の卒業生。年に1、2回しか使わないような美術品ではなく、日常使いの器を作りたいという。
京都伝統工芸館 - 漆器2
嶋澤さんのコーナーには、その言葉通り、茶碗、スプーンから釣り具のルアーまで、小ぶりな生活用品がずらりと並ぶ。使ったらすぐに洗剤で軽く洗い、手早く乾かせば長く使えるとか。
お手頃価格が嬉しい小物たち

3階には若手職人のギャラリーショップがあります。価格帯が実に広く、高価な美術品から日常づかいのアクセサリーまで幅広く揃っています。

京都伝統工芸館 - 3階ギャラリーショップ
一見、高価なものばかりかなと感じたが、入ってみると…。
京都伝統工芸館 - ギャラリーショップ1
なんと手づくり感あふれるピアスやネックレスが500円代から!
京都伝統工芸館 - ギャラリーショップ2
先ほどの岡谷さんの動物モチーフ作品も並んでいた。

職人たちの仕事は、その静かなたたずまいとは反対に、手と目と頭をとことん使っての重労働という印象。そんな彼らが心を砕いてつくりあげた作品は、作り手の個性と素朴さが見事に混ざり合った逸品ばかりです。職人たちと言葉を交え、伝統工芸の世界に触れることができる京都伝統工芸館には、過去から未来へと流れる日本のものづくりスピリットが、あふれんばかりに息づいています。

基本情報

この記事を書いた人

菅原 こころ
学生時代を過ごした京都は、今の住まいである名古屋から新幹線で40分ほどの距離。温故知新のエナジーを浴びるため、時々ふら〜っと遊びに来ます。