見る 見る一覧

今宮祭EC

西陣の絢爛豪華な祭礼・今宮祭で無病息災祈願

風薫る5月の京都では、さまざまな祭礼が各地で行われます。かつて「北の今宮、南の祇園」と称されたという、今宮祭。きらびやかな剣鉾(けんほこ)や神輿が巡行する祭礼は一見の価値ありです。

御霊会にルーツを持つ今宮祭

今宮祭は、平安時代の「紫野御霊会」が起源。中世に一時衰退した時期があったものの、徳川綱吉の母・桂昌院により復興され、今日まで西陣の祭として盛大に執り行われ続けています。5月5日の神幸祭では、神社を出た剣鉾や神輿が、西陣の氏子区域を巡行。愛らしい八乙女の舞や、京都最大級とも言われる神輿の拝殿降ろしや御旅所入御など、見所満載です。

今宮祭 - 八乙女
着飾った八乙女らが舞う姿は愛らしく、観衆から笑みがこぼれる。(写真は2016年)
今宮祭 - 神輿
祭礼では先神輿、中神輿、大宮神輿の3基が巡行。先神輿・中神輿と、大宮神輿では巡行経路が異なる。(写真は2016年)
今宮祭 - 牛車
絢爛豪華な牛車も祭礼の列に加わる。西陣らしい華やかな祭礼だ。(写真は2016年)
飛び散る湯しぶきに無病息災を祈る

神幸祭の翌日、6日の14時から御旅所で行われる湯立祭。祝詞の奏上や神楽舞、釜で沸かした湯の中に塩や酒を入れる神事などが粛々と執り行われます。祭のクライマックスで神楽女が熱い湯の中に入れた笹束を引き上げながらダイナミックに湯を振りまくと、観衆から大きな歓声が上がります。

今宮祭 - 湯立祭1
神楽女が御幣と鈴を手に、祈りを捧げる。
今宮祭 - 湯立祭2
釜に浸した笹を振り上げ、湯を撒き散らす。この湯しぶきを浴びれば無病息災のご利益があるとされ、参拝者は熱さに耐えながら一年の健康を祈る。湯立祭で使った笹は、参拝者に授与される。
華やかな祭列が祭を盛り上げる還幸祭

15日に近い日曜日には、御旅所に祀られた神輿が還御する還幸祭が行われます。神幸祭の祭列に子供神輿や玉の輿も加わり、賑やかに西陣地域を巡行。古くは官祭として斎行され、時を経て町衆の手で守り続けられる今宮祭。消滅の危機を乗り越えて受け継がれる伝統に触れながら、無病息災を祈ってみませんか。

今宮祭 - 還幸祭1
御霊会には欠かせない剣鉾。鉾の精緻な飾り細工に注目したい。(写真は2016年)
今宮祭 - 還幸祭2
千本中立売交差点で行われる舁(か)き上げに、沿道の観客から盛大な拍手が沸き上がる。(写真は2016年)
今宮祭 - 還幸祭3
近年に祭列に加わった「玉の輿」は、八百屋の娘から将軍の生母にまで上り詰めた桂昌院にちなんでいる。(写真は2016年)

基本情報

  • 寺社名
    今宮神社
    住所
    京都市北区紫野今宮町21
    電話番号
    075-491-0082
    URL
    http://www.imamiyajinja.org/
  • 寺社名
    今宮神社御旅所
    住所
    京都市上京区北大路大宮下ル若宮横町

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。