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三大奇祭のひとつ、「やすらい祭」

鞍馬寺の火祭、広隆寺の牛祭と合わせ、京都三大奇祭と称される「やすらい祭」は4月の第2日曜に行われます(2016年は4月10日に行われました)。平安時代に始まったというこの祭りは、地元の人たちの手によって現在まで受け継がれてきました。真っ赤な花笠の下に入ると、一年間を無病息災で過ごせると伝えられています。

やすらい祭 - 出発前1

やすらい祭 - 出発前2
地元の人たちで構成される「練り衆」。光念寺を出発し、氏子のいる地域を練り歩きながら、今宮神社へ向かう。
平安京を襲った、恐ろしい疫病

鴨長明の『方丈記』によると、平安時代の終わりごろには、京都はさまざまな災害に見舞われたといいます。人間の力ではどうしようもない疫病の流行を、人々は怨霊のしわざだと考えました。やすらい祭は、これを鎮めるために始まった祭のひとつなのだそうです。

やすらい祭 - 出発1

やすらい祭 - 出発2

やすらい祭 - 出発3

やすらい祭 - 出発4
「練り衆」の順番は、頂(てっぺん)、幡(はた)、幸鉾、御幣持ち、督殿(こうどの)、小鬼、大鬼、花笠、音頭とり、囃子方となっている。年齢などに応じて、役割が決まるそう。

やすらい祭 - 小鬼

やすらい祭 - 舞1

やすらい祭 - 舞2
「やすらい花や」の囃子とともに、踊る鬼たち。この踊りによって、疫神は花笠へと誘われる。
やすらい祭 - 花笠
祭の中心である、真っ赤な花笠。人々は練り衆が通るのを待ち、競って傘の下に入る。

やすらい祭 - 今宮神社

やすらい祭 - 今宮神社 本殿前
今宮神社へ到着した練り衆。ここで疫神に、疫社へとお鎮まりいただく。
連綿と続く、数百年の歴史

やすらい祭は、その華美な衣装や踊りが行き過ぎたのか、勅命によって禁止されたこともあるそう。幾度か危機に晒されながらも、地元の人たちに愛され、今の時代まで伝えられています。現在、この祭りを伝承しているのは四つの保存会。囃子や踊りも、それぞれの保存会ごとに異なっています。

やすらい祭 - 川上

やすらい祭 - 川上花笠
四月のやすらい祭で見ることができるのは、「今宮やすらい」と「川上やすらい」。この写真は、同じく今宮神社に到着した「川上やすらい」。
無病息災を祈願、厄除け人形

今宮神社の境内では、厄除け人形の授与を受けることができます。氏名や住所を記入したら、人形で自分の胸を撫で、息を吹きかけます。こうして半年間の厄を人形に移し、神社に納めます。

やすらい祭 - 記名台

やすらい祭 - 人形
真ん中の「蘇民将来子孫也」と書かれた札は、抜き取って門に掲げておくと厄除けになる。

基本情報

この記事を書いた人

たま
実家を出て、京都市内で暮らし始めて早2年。「一日一猫」ルールを自分に課し、日々、新たな猫がいそうな場所をうろついています。散歩が好きで、気付けば四時間ほど歩き続けていたことも。