冷え込む冬にぴったりの、師走の風物詩「大根(だいこ)だき」。7日・8日に行われた千本釈迦堂の大根だきでは、訪れた参拝者がお出汁のしみた熱々の大根を食べ、無病息災を祈りました。
京都市街最古の本堂
献身的な妻・おかめの伝説で知られる千本釈迦堂は、正式には大報恩寺という、真言宗智山派の古刹。国宝の本堂は、安貞元年(1227)の創建時に建てられたもので、京都市街で現存する最古の木造建築です。大根だきが行われる12月7日と8日には本堂が開扉され、自由に上がって参拝できます。
成道会の魔除けの大根
大根だきの起源は鎌倉時代にさかのぼります。第3世住職であった慈禅上人が、お釈迦様が悟りを開いた日を祝う成道会(じょうどうえ)を創始。大根の切り口に梵字を記して供え、魔除けとしました。その後、梵字の記された魔除けの大根を他の大根と一緒に炊きあげ、参拝者に振る舞うようになったのが、大根炊きの始まり。現在も師走の恒例行事として、信徒により受け継がれています。
大根だきの楽しみ方
成道会の大根だきでは、お出汁がしみた、ほくほくの大根とお揚げが器によそわれて供されます。まず大根だきの券を買い、大根と引き替えます。お腹いっぱいで食べられなかったり、食べる時間がなかったりしても大丈夫。持ち帰り用の容器も売っています(150円)。祈祷済みの生大根もあるので、家で調理して食べてもいいですね。冬の訪れを告げる伝統行事で、無病息災を祈りましょう。