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北山杉の里・中川を歩くEC

北山杉の里・中川を歩く

凛とした立ち姿が美しい北山杉。北山杉の里は、中川・杉阪・小野・真弓・大森の5つの地域からなっています。その一つ、中川で北山杉の歴史に触れるまち歩きを楽しみませんか。

『古都』の舞台にもなった北山杉の里

京都駅からバスで約1時間の山中にある北区中川は、川端康成の小説『古都』の舞台にもなった北山杉の里。清滝川沿いに倉庫が建ち並び、美しい木肌の磨き丸太を至る所で見ることができます。山々に囲まれた地に昔ながらの山村の風景が広がり、京都の町中とはひと味違う風情が漂います。

北山杉1
川端康成の『古都』で、主人公の千恵子が「北山杉のまっすぐに、きれいに立ってるのをながめると、うちは心が、すうっとする。」と言うシーンがある。中川に到るまでの車窓で、美しい北山杉の木立が存分に堪能できる。
北山杉2
清滝川沿いの磨き丸太倉庫群。まっすぐ立てかけられた磨き丸太が美しい。映画『古都』の撮影は、この界隈を中心に行われた。
台杉を訪ねて

北山杉の生産方法の一つに、台杉があります。台杉仕立ては世界にも例を見ないと言われる独特な生産方法で、一つの株から数十本の幹を育成するというもの。台の部分から上の幹を伐採しても、次の枝が育って新たな幹になります。中川地区の高台にある宗蓮寺の近くには、樹齢400年以上と伝わる北山大台杉があり、太い幹の台からたくさんの幹が出ている様子が分かります。

北山杉3
北山大台杉は、500年台杉とも呼ばれる巨木。台となる幹の部分は何百年もの間たくさんの幹を支え続けてきただけあって、太く力強い。
宗蓮寺1
室町末期、鎌倉・光明寺の僧、圓誉上人によって開山された宗蓮寺。花の寺として知られる。
宗蓮寺2
宗蓮寺の庭には、数多くの台杉が育つ。山桜やシャクナゲが花を咲かせる季節には、すらりと伸びた台杉と美しい花々の競演が楽しめる。
北山杉のお母さん

台杉仕立てで北山杉を生産するためには、まっすぐに伸び、しっかり育つ遺伝子を持った木が必要です。その性質を持つのが白杉。中川八幡宮のご神木である樹齢約600年の白杉は、樹形が崩れることなく天に向かって伸びています。この木から挿し木で増やしたシロスギの子孫たちが、現在の台杉の風景を作っているそう。そのため、このご神木は北山杉の母樹と呼ばれています。

中川八幡宮
中川八幡宮は、鎌倉時代の創建と伝わる。
中川八幡宮 - 八幡宮大杉
八幡宮大杉と呼ばれるご神木。中川地区で最も古い白杉で、写真に収まりきらないほどの大木。この白杉から取った枝を挿し木で増やして植林し、北山杉が生まれた。
中川八幡宮 - 白杉
白杉はまっすぐな樹形と白く美しい木肌が特徴。花が付かず挿し木で増やすため、母樹の遺伝子がそのまま受け継がれている。

基本情報

  • 施設名
    北山杉の里 中川
    住所
    京都市北区中川
  • 寺社名
    宗蓮寺
    住所
    京都市北区中川北山町214
  • 寺社名
    中川八幡宮
    住所
    京都市北区中川北山町123

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。