冬至は一年で最も昼が短くなる日。昔から冬至の日には、かぼちゃや小豆粥を食べたり、ゆず湯に入ったりして過ごす習慣がありました。かぼちゃ大師を祀る不思議不動院では、毎年冬至の日にかぼちゃ供養が行われています。
「不思議さん」の愛称で親しまれる不思議不動院
世界遺産・金閣寺から氷室道を進んでいくと、大北山の麓に不思議不動院があります。初代住職の酒井圓心師によって開かれた真言宗のお寺で、本堂には不動明王が祀られています。この不動明王が参拝した人々の祈願を成就させたことから「不思議なことを起こす不動明王」と評判に。いつしか「不思議不動明王」と呼ばれるようになったのです。
不動明王の他にも、弘法大師や、商売繁盛や学業成就のご利益がある天龍神大神、眼病平癒のご利益がある一光開眼地蔵菩薩などが祀られています。
大師堂に祀られる「かぼちゃ大師」
不思議不動院には、「かぼちゃ大師」と呼ばれる弘法大師が祀られています。初代住職は、迷い苦しむ人々が救われることを願って、不眠・断食・滝などの修行をしました。そしてその満願のお礼に、弘法大師にかぼちゃをお供えしたのです。お供えしたかぼちゃを参拝者に振る舞うようになり、いまでは冬至の恒例行事となっています。
大勢の参拝者で賑わったかぼちゃ供養
12月21日の冬至の日に、今年もかぼちゃ供養が行われました。参拝者は受付で護摩木を納め、本堂や護摩堂をお参りします。しばらくすると、護摩堂では護摩木が焚かれ始めました。護摩木に火が入れられると、モクモクと煙を上げながら火が高くのぼります。最後に法螺貝を吹いて護摩供は締めくくられました。
境内では、お供えしたかぼちゃが振舞われます。かぼちゃはよく味がしみて、程よい甘さとホクホク感。中風やボケ封じ、五体健康等の祈祷がされたかぼちゃを、参拝者は美味しそうにいただいていました。