常に人が行き交う嵐山にありながら、豊かな自然と静寂に包まれる小倉池。この畔に、髪と髪にまつわる職業を守護する御髪神社が祀られています。珍しい髪の神様にお参りしてみましょう。
日本初の髪結い師
御髪神社の創建は1961年。理美容の祖とされる藤原采女亮政之(ふじわらうねめのすけまさゆき)公を御祭神とする神社です。享保年間の文献によると、亀山天皇の御代に、藤原鎌足の末孫とされる北小路左兵衛尉藤原基春が天皇の宝刀『九王丸』を紛失し、下関に居を構えて宝刀を探索。その間、基春の三男である藤原采女亮政之は、往来する人の髪を結って生活の糧を得たと伝わり、これが理美容職の祖である由来とされています。
日本唯一の髪の神社
御祭神の藤原采女亮政之公とゆかりの深い、亀山天皇の御陵がある小倉山。山裾に小倉池が広がり、その池端に御髪神社が鎮座しています。つい見過ごしてしまいそうな小さな神社ですが、髪に悩みを持つ男女や、理美容業界関係者、理美容師を目指す人々から篤く信仰を集めています。櫛形の絵馬やハサミの御守りなど、髪の神社ならではの授与品もあり、見ているだけでも楽しめます。
美しい髪を願う献髪
御髪神社にお参りしたら、やはり美髪祈願は欠かせません。御髪神社では、いつまでも美しい髪でいられることを祈願して、献髪をすることができます。社務所に用意されたハサミで数本の髪を数センチ切り、献髪用の袋に入れて献納。献納した髪は髪塚に納められ、神職による祈願が行われます。美しい髪は、男女を問わず憧れるもの。髪の神様の御利益で、美しく豊かな髪を手に入れましょう。