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恵解山古墳EC

乙訓(おとくに)地域最大の古墳・恵解山古墳

JR京都線に乗車すると、長岡京~大山崎間の線路の間際に古墳が見えます。これは恵解山(いげのやま)古墳。公園として整備された古墳を見学してみましょう。

大量の鉄製武器が出土

恵解山古墳は、古墳時代中期(5世紀前半)に造られたとされる前方後円墳。全長は約128メートル、後円部の直径は約78.6メートルで、乙訓地域で最大の古墳です。昭和55年、墓地の拡張工事中に鉄器が出土したことから発掘調査が行われ、刀や槍、矢尻など約700点が発見されました。大量の鉄製武器が出土するのは全国的にも珍しく貴重であることから、国の史跡に指定されています。

恵解山古墳1
戦国時代には城が築かれ、江戸期以降は墓地になるなど保存状態は良くなかったが、発掘調査で埋葬品が多数出土し、希少な古墳であることが判明した。
憩いの場・古墳公園

発掘調査を経て、平成26年10月に「恵解山古墳公園」が整備され、市民の憩いの場としてオープンしました。公園には古墳の復元模型や乙訓地域の地形模型、出土品の写真模型などが展示されています。周辺にはベンチやあずまやが設置され、のんびりと休憩しながら古墳を眺められます。広くて見晴らしがいいので、リフレッシュにぴったりです。

恵解山古墳2
乙訓地域の地形模型が展示され、古墳群について解説されている。
恵解山古墳3
恵解山古墳の復元模型。埴輪の一つ一つまでリアルに作られている。
恵解山古墳4
鉄製武器が発掘されたときの写真を用いた解説板。武器の大きさや数が体感できる。
埴輪が並べられた古墳に上ってみよう

近頃は古墳巡りが密かなブームで、「古墳女子」という言葉が生まれるほど。美しく復元された恵解山古墳は、古墳に詳しくなくてもその魅力を楽しむことができます。葺石(ふきいし)が敷かれ、埴輪が並べられた古墳に上ってみましょう。整然と並べられた円筒埴輪や朝顔型埴輪、蓋型(きぬがさがた)埴輪を間近で見ることができます。古墳時代にタイムスリップした気分で古墳散策を楽しんでみませんか。

恵解山古墳5
筒型の円筒埴輪と、上部が広がっている朝顔型埴輪。
恵解山古墳6
蓋型埴輪の上部の装飾は、貴人にさしかける日よけの傘を模している。
恵解山古墳7
山崎の合戦で、光秀は恵解山古墳に陣を置いたと考えられている。合戦時のものと推定される火縄銃の弾も出土した古墳頂上からは、天王山が見える。

基本情報

  • 施設名
    恵解山古墳
    住所
    京都府長岡京市勝竜寺

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。