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乙訓寺EC

錦繍の乙訓寺を訪ねる

約2000株の牡丹が境内を彩ることから「牡丹の寺」と名高い乙訓寺は、秋の紅葉も見事。山門から境内へ到る参道を覆うモミジが色付き、参拝者の目を楽しませています。

乙訓地方最古の寺院

乙訓寺は、推古天皇の勅願で聖徳太子が建立したとされる、乙訓地方で最も古い寺院です。延暦3年(784)の長岡京遷都時に、京内七大寺の筆頭として整備されました。翌年に藤原種継が暗殺されたときに、早良親王が幽閉された寺としても知られています。応仁の乱以降は荒廃していましたが、桂昌院により再建されました。

乙訓寺1
赤門とも呼ばれる、乙訓寺の表門。鬼瓦に元禄8年(1695)の銘がある。
今里の弘法さん

弘仁2年(811)に弘法大師(空海)が別当に任じられ、乙訓寺に在住するようになりました。弘法大師は乙訓寺で初めて伝教大師(最澄)と面会し、密教の法論を交わしたと記録に残っています。本尊の八幡弘法合体大師像は、弘法大師が八幡神の頭を彫り、八幡神が空海を模して体を彫り、それらを合わせた仏像だとされています。弘法大師にゆかりが深いことから、乙訓寺は「今里の弘法さん」とも呼ばれています。

乙訓寺2
乙訓寺の本堂。桂昌院が乙訓寺を再興した当時の建築だという。
乙訓寺3
境内には弘法大師の像が建っている。
秋の乙訓寺を訪れる

乙訓寺は牡丹の寺として有名ですが、秋の紅葉も素晴らしいお寺。参道の紅葉のトンネルをくぐると、左手に日限地蔵尊が見えてきます。本堂に向かって右手には鐘楼、さらに右に毘沙門天を祀るお堂があります。この毘沙門天像は平安期の作で国の重文指定。拝観は有料(100円)、要予約です。境内の至る所で色付く紅葉を愛でながら、古刹の更けゆく秋を楽しみませんか。

乙訓寺4
表門から境内へ続く参道はもみじで覆われている。
乙訓寺5
日限地蔵尊のお堂。奉納された大きなわらじが目を引く。
乙訓寺6
日限地蔵尊。自分で期間を区切り、その日数を毎日お参りすれば、願いが叶うそう。
乙訓寺7
鐘楼と毘沙門堂。幽愁の毘沙門天とも呼ばれる毘沙門天像は、12月31日~1月3日と、8月13日~16日は特別無料拝観期間で、予約なしで拝観できる。

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この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。