西行法師が愛でた桜から「花の寺」と呼ばれる勝持寺。春の桜が見事なことで知られていますが、秋の紅葉も格別。深まる秋に見頃を迎えた紅葉を愛でに、花の寺へ訪れてみませんか。
西山連峰の麓にたたずむ古刹
勝持寺は正式には小塩山大原院勝持寺といい、白鳳8年(679)に天武天皇の勅により役行者が創建したことに始まります。延暦10年(791)に伝教大師が桓武天皇の勅を受け、堂塔伽藍を再建。承和5年(838)には仁明天皇により49院の塔頭が建立されましたが、応仁の乱により仁王門を除き焼失し、現在の伽藍は応仁の乱後に再建されました。
花の寺の紅葉を愛でる
鳥羽上皇に仕えていた北面の武士であった佐藤義清(のりきよ)は、勝持寺で出家し、名を西行と改めました。桜をこよなく愛した西行が植えた1本の枝垂れ桜は、後に人々から西行桜と呼ばれるように。この西行桜のほか、ソメイヨシノを中心に約100本の桜が春に境内を彩ることから、勝持寺は花の寺と呼ばれています。境内には桜と同じぐらいにもみじも多く、秋には境内が赤く染まります。
古刹の秋を楽しもう
春の華やかさもいいですが、秋の勝持寺の美しさも格別。歴史を重ねてきた堂塔伽藍が燃え立つ紅葉に包まれ、しっとりとした風情が漂います。それほど混雑しないので、秋の趣を静かに味わいたい人におすすめ。境内を出て仁王門へ到る参道脇の紅葉も見事です。参道の途中には紅葉名所の大原野神社へ抜ける小径があるので、ハイキングがてら紅葉狩りを楽しむのもいいですね。