東福寺塔頭の正覚庵で、筆供養が行われました。山伏らが読経する中、奉納された筆が次々に護摩壇へ投げ入れられ、参拝者らが使い古した筆に感謝して字の上達を祈願しました。
筆の寺・正覚庵
東福寺塔頭の正覚庵は、正応3年(1290)に伊達政宗の先祖である伊達政依により創建されました。境内の威徳堂には、渡宗天神(天満大自在威徳天神=菅原道真)と巨大な筆が祀られています。また、江戸時代の文化年間(1804~1818)に築かれた筆塚があることから、正覚庵は筆の寺と呼ばれています。
使い古した筆に感謝する
毎年11月23日に行われる、正覚庵の筆供養。全国から奉納された、使い古した筆に感謝し供養する行事です。本堂で法要が営まれ、筆神輿が東福寺の境内を巡行。午後2時からは、山伏らの読経とともに護摩木が燃やされ、奉納された筆が次々に火にくべられました。この時に立ち上る煙を浴びると、字が上達するといわれています。
庭園の散策やお茶席も
普段は原則非公開の正覚庵ですが、筆供養当日は誰でも自由に参拝可能。錦繍の庭園を鑑賞することができます。茶席が設けられたほか、そばやおでん、たこ焼きなどの屋台もあり、多くの人々が紅葉を愛でながら舌鼓を打ちました。また、威徳堂近くでは、水明書道会によるワークショップも開催。筆供養の日限定の御朱印も授与されました。