京都に冬の訪れを告げる風物詩の一つ、大根だき。岩倉の妙満寺では、2018年は12月9日に釈尊成道会の振舞いとして大根だきが行われ、参拝者が熱々の大根を味わい無病息災を祈願しました。
洛北岩倉の妙満寺
慶応元年(1389)に日什(にちじゅう)上人が開創した妙満寺。もとは六条坊門室町(現在の烏丸五条あたり)にありましたが、応仁の乱などで幾度も移転し、天正11年(1583)には豊臣秀吉により寺町二条に移されました。昭和43年には現在地に移転。俳諧の祖・松永貞徳が造営した雪の庭も、この時に移築されました。
釈尊成道会と大根だき
妙満寺の冬の年中行事である釈尊成道会は、お釈迦様がブッダガヤの菩提樹の下で悟りを開いたことを喜び、感謝を捧げる法要です。大根だきは、この法要のお供養として実施。古くから身心の毒を取り除き、中風や諸病除けに効果があると考えられてきた大根が振る舞われます。
あつあつの大根で無病息災祈願
釈尊成道会に先立ち、午前11時から大根だきがスタート。多くの人が訪れ、柚子の香りが爽やかな大根に舌鼓を打ちました。屋外に床几が設置されたほか、本坊内にも席が設けられ、雪の庭を眺めながら大根をいただくこともできました。当日は冷え込みが厳しく、熱々の大根に参拝者はにっこり笑顔。1年の無事に感謝し、無病息災を祈りました。