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初六阿弥陀めぐりEC

極楽往生を願う初六阿弥陀めぐり

享保2年(1717)に木食正禅(もくじきしょうぜん)上人が発願したと伝わる、洛陽六阿弥陀めぐり。3年3月休むことなく功徳日に六阿弥陀を巡礼すれば、無病息災、家運隆盛、祈願成就の功徳が高まるとされています。特に1月15日の初六阿弥陀めぐりで南無阿弥陀仏と念じれば、極楽往生できると伝わっています。

第1番 真如堂のうなずきの弥陀

洛陽六阿弥陀の第1番札所・真如堂は、正式には真正極楽寺という天台宗の寺院。本尊の阿弥陀如来には、不思議な伝説があります。慈覚大師が霊木から阿弥陀如来像を作り、もうすぐ完成というときに「比叡山の修行僧の本尊になってください」と願うと、阿弥陀如来像は首を振って拒否。そこで「都に下って全ての人々、特に女人を救ってください」と言ったところ、阿弥陀如来は頷いたそう。そのため、うなずきの弥陀と呼ばれるようになりました。

真如堂
永観2年(984)創建の真如堂。最初に真如堂に参拝し、そこから順番にお参りする。参拝の証に御朱印をいただこう。洛陽六阿弥陀の御朱印を押すための掛け軸も販売されている。
真如堂のうなずきの弥陀
本堂の南側に、木食正禅上人が享保4年(1719)に鋳造させたという阿弥陀如来の座像が安置されている。
真如堂 御朱印
無量寿とは無限の寿命を持つものという意味で、阿弥陀如来の漢訳名の一つ。挟み紙に押した蓮華の印は、巡礼の記録を記す帳面に押すために用意されているもの。
商品名:「御朱印」300円
第2番 永観堂のみかえり阿弥陀

第2番札所の永観堂の本尊は、その独特な姿からとても有名な阿弥陀さま。永観律師(ようかんりっし)が夜通し念仏行に励んでいると、目の前に阿弥陀如来が現れました。思わず足を止めた永観を振り返り、「永観、遅し」と言ったという阿弥陀如来の姿を表したのが、みかえり阿弥陀です。首を左にかしげて振り向く姿が優美で、表情は慈悲に満ちています。

永観堂
本尊の見返りの阿弥陀を安置する阿弥陀堂。慶長12年(1607)に大阪から移築されたもので、極彩色が美しい。
永観堂 御朱印
永観堂の御朱印をいただくと、永観律師を振り返る阿弥陀如来の判が押された紙を挟んでもらえる。
商品名:「御朱印」300円
第3番 清水寺の阿弥陀堂から京都の街を一望

第3番札所は清水寺。清水の舞台で知られる本堂の先に、阿弥陀堂があります。江戸時代初期に再建された建物で、極彩色の装飾が施されています。建築の美しさもさることながら、阿弥陀堂と隣の奥の院からの眺望は抜群。右手には清水の舞台、正面にはモミジに覆われる境内の向こうに東西本願寺をはじめとする社寺や町家が甍(いらか)を連ね、はるか遠くの西山連峰まで見渡せます。特に夕方の古都の風情は格別です。

清水寺の阿弥陀
半丈六の阿弥陀如来像が安置される阿弥陀堂。法然上人がこの場所に初めて常行念仏道場を開いたことから、法然上人二十五霊場の13番札所でもある。
清水寺 御朱印
清水寺は御朱印の種類が多く、納経所が複数ある。阿弥陀如来の御朱印は、阿弥陀堂でいただける。法然上人二十五霊場の御朱印もあるので、御朱印をいただくときは洛陽六阿弥陀でと伝えよう。
商品名:「御朱印」300円
第4番 木食正禅上人が眠る安祥院

五条坂に面する門にかかった大きな提灯が目を引く安祥院は、木食正禅上人が享保年間に建立した浄土宗の寺院。元は平安時代に乙訓郡で創建された仁王護国院というお寺で、長いあいだ荒廃していたのを木食正禅上人が寄進を受け、移築再建しました。本堂の阿弥陀如来像は、正禅上人の作と伝わります。境内には正禅上人のお墓があり、正禅上人が狸谷不動院から移して祀った木食不動明王とともにお参りできます。

安祥院
日限(ひぎり)さんと呼ばれる安祥院。境内の地蔵堂に安置される地蔵菩薩は日にちを限って祈願すれば諸願成就するという信仰があり、日限地蔵と呼ばれている。
安祥院 御朱印
木食正禅上人にゆかりの深いお寺であることから、安祥院木食寺と書かれている。
商品名:「御朱印」300円
第5番 女性を救う倒蓮華(さかれんげ)の阿弥陀

恵心僧都が寛仁2年(1018)に奈良県當麻に建立した蓮台院が起こりの安養寺。恵心僧都の妹の安養尼が受け継いだことから、安養寺と寺号を改めました。本尊は倒蓮華と呼ばれる台座に立つ阿弥陀如来。寺伝によると、阿弥陀如来像を作る際に、何度作っても蓮華の台座にひびが入ったそう。そこで春日権現(かすがごんげん)に祈ったところ、八葉のさかれんげを作って安置するようにとお告げを受けたため、蓮華を逆さにした台座を作り安置しました。このことから、安養寺は倒蓮華寺とも呼ばれています。

安養寺
昔は、女性は心の蓮華が逆さなので極楽往生できないと考えられていたそう。女性を救済するため、わざと台座を逆さの蓮華にしたという。女人往生のさかれんげ阿弥陀として信仰を集めてきた。
安養寺 御朱印
普段は建物2階の本堂の拝観は要問い合わせだが、洛陽六阿弥陀の功徳日は予約なしでも拝観できる。御朱印にはさかれんげの台を描いた印が押されている。
商品名:「御朱印」300円
第6番 誓願寺で結願

誓願寺の歴史は古く、飛鳥時代に天智天皇の勅願で創建。清少納言や和泉式部が帰依したことから、女人往生の寺として信仰を集めてきました。誓願寺で洛陽六阿弥陀めぐりは結願。「1月15日は仏を6万体作るにむかう」、「2月8日は五重塔を1万建てるにむかう」など、功徳日ごとにどんな功徳があるのかが決まっているので、巡礼を続けてみてはいかがでしょう。寄り道せずに巡礼すれば半日ほどで回れるので、京都観光のコースに取り入れるのもいいですね。

誓願寺
誓願寺門前の「迷子みちしるへ」と書かれた石は、江戸時代に迷子に関する情報を紙に書いて貼り、探す人と預かっている人が情報交換していた迷子しるべ石だ。
誓願寺の阿弥陀
本堂に安置される本尊の阿弥陀如来像は、鎌倉から南北朝時代の作とされていて、明治の廃仏毀釈にともない石清水八幡宮から移されたもの。
誓願寺 御朱印
誓願寺も多くの霊場の札所になっているので、洛陽六阿弥陀と告げて御朱印をいただこう。
商品名:「御朱印」300円

基本情報

  • 寺社名
    真如堂
    住所
    京都市左京区浄土寺真如町82
    電話番号
    075-771-0915
    URL
    http://shin-nyo-do.jp/
  • 寺社名
    永観堂禅林寺
    住所
    京都市左京区永観堂町48
    電話番号
    075-761-0007
    URL
    http://www.eikando.or.jp/
  • 寺社名
    清水寺
    住所
    京都市東山区清水1丁目294
    電話番号
    075-551-1234
    URL
    https://www.kiyomizudera.or.jp/
  • 寺社名
    安祥院
    住所
    京都市東山区五条通東大路東入ル遊行前町560
    電話番号
    075-561-0655
  • 寺社名
    安養寺
    住所
    京都市中京区新京極通蛸薬師下ル東側町
    電話番号
    075-221-4850
  • 寺社名
    誓願寺
    住所
    京都市中京区新京極桜之町453
    電話番号
    075-221-0958
    URL
    http://www.fukakusa.or.jp/

この記事を書いた人

にっしー
音楽と文学をこよなく愛する関西人。母なる琵琶湖のほとりで生まれ育ち、京都に移り住んで十数年。バス停で困っている修学旅行生に道案内をするのが趣味。