かつて天皇の勅願寺として栄え、豊臣秀吉も信仰したと伝わる福勝寺。節分限定の瓢箪のお守りにちなみ、ひょうたん寺の通称で親しまれています。普段は静かな境内が、節分には大変なにぎわいを見せました。
秀吉も信仰したひょうたん寺
上京区の福勝寺は、河内国で創建し、僧の覚済(かくぜい)により正嘉年間(1257~59)に京都へ移されたと伝わります。豊臣秀吉が信仰し、瓢箪を奉納し武運を祈願。この瓢箪をモチーフにして、有名な千成瓢箪の旗印ができたそうです。江戸初期の御西天皇が、紫宸殿前の左近の桜を枝分けして福勝寺に下賜したことから、福勝寺は桜寺とも呼ばれます。
弘法大師が伝えた秘法のお守り
福勝寺で授与される、節分限定のお守り「宝珠尊融通御守(ほうしゅそんゆうづうおんまもり)」。弘法大師が中国で学んだ、貧苦の衆生を救済する「如意宝珠の修法」という秘法に由来します。如意宝珠をふたつ重ねた形が瓢箪に似ていることから、鎌倉時代頃に、瓢箪がお守りに用いられるようになったそう。かつては徹夜で並ばないと手に入らないといわれた、宝珠尊融通御守。現在は予約制になりました。当日申し込み分も用意されています。
年に一度のにぎわいを見せるひょうたん寺
節分当日は、早朝5時の開門から夕方5時の閉門まで、絶え間なく参拝者が訪れる福勝寺。宝珠尊融通御守を受けた参拝者は、本堂に上がって薬師如来にお参りし、香炉の煙にお守りをかざします。こうすることでご利益がさらに高まるとか。何でも思い通りになるという如意宝珠を模した、節分限定のありがたいお守り。どうしても叶えたい願いがある人におすすめです。