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美しいマジョリカタイルは必見、「さらさ西陣」でランチ

日本の伝統的な建築様式である唐破風(からはふ)造りの屋根をもつ銭湯をリノベーションした「さらさ西陣」。銭湯の面影を色濃く残した空間とランチを紹介します。


さらさ西陣1

歴史を感じる銭湯カフェ

映画「千と千尋の神隠し」の銭湯を思い出す人も多いというその建物は、築80年の銭湯だった旧藤の森温泉をリノベーションしたもの。男風呂と女風呂を隔てていた壁が僅かに残されていたり、銭湯独特の天窓をもつ高い天井にも、その名残をみることができます。

そして、壁にびっしりと貼られたマジョリカタイルは思わずうっとりするほど。大小の幾何学模様や花を繊細に象った紋様、その反復が生み出す幻想的な美しさは一見の価値ありです。このタイルは、明治の末の西洋建築が普及し始めた頃のもので、表面に僅かな凹凸が浮き出て独特の質感を持ちます。発色がよく仄かに光るような風合いのタイルは、鉛の釉薬(ゆうやく)を使うために現在では製造されておらず、歴史的価値があります。

さらさ西陣2
銭湯だった空間を活かし、遊び心のあるカフェスペースへとリノベーション。
さらさ西陣3
このマジョリカタイルを見るために、タイルの業者が来ることもあるそう。
バラエティー豊かな選べるランチ

今回はゆったり座れる大きなソファ席へ案内していただきました。周囲には雑貨やマンガなども置かれていて、座ってしまえば1人でも家のようにくつろげる居心地のよい空間。BGMのボブ・ディランも雰囲気にぴったりです。

ランチは「うどんセット・パンセット・おかずセット」の3種から選べるスタイルです。それぞれのメニューは週替わりで、今回は「塩豚の柚茶煮込み」がいただける「おかずセット」を注文しました。

さっぱりとした塩味に柚の風味が香る塩豚はとにかく肉厚。大きめにカットされよく煮込まれた野菜と一緒にいただくと、これまた美味しく、豚の旨味とほのかな柚子茶の香りがよく効いて、カフェ飯らしからぬ本格的な一品でした。サラダ、スープ、ごはんに、切り干し大根まで付いて、男性でも申し分ない量です。

さらさ西陣 - 塩豚の柚子茶煮込み
塩豚の柚子茶煮込み(ドリンク付き) 940円
さらさ西陣4
銭湯の趣をそのままに残す店内。実は、床板をはずすと浴槽がでてくるそうです。
「さらさ西陣」オリジナルメニューと定期ライブ

メニューの豊富さも、このお店の魅力のひとつです。ランチタイム(12時〜15時)とディナータイム(18時〜22時)のあいだになんとも嬉しい“遅昼”(15時〜18時)があり、3つの時間帯それぞれにお得なセットメニューがあります。また、オリジナルの焼き菓子、自家焙煎のコーヒー、マジョリカタイルをイメージした「さらさのパフェ」、猫チャーハンなど一風変わったオリジナルメニューが数多くあり、一度では味わい尽くせない「さらさ西陣」。地元のインストゥルメンタルバンド「ザッハトルテ」が出演する、毎月15日開催の月例お食事ライブ(要ドリンクオーダーの投げ銭)もあります。

「さらさ西陣」で銭湯さながらに、ゆったりとくつろいでみませんか?

さらさ西陣5
人気の西陣エリアでシンボルのような存在の「さらさ西陣」の建築。
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焼菓子の詰め合わせ、オリジナルのはがき、自家焙煎コーヒーのドリップバックを販売。

基本情報

この記事を書いた人

元伊佐
東京生まれ。京都在住。あらゆるジャンルの音楽を聴きます。美味しいコーヒーを求めて喫茶店巡り。散歩しながら神社仏閣へ。