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CAFÉ RESTAURANTやよいEC

京の朝ごはん 
Vol.1:ちりめん山椒の名店で味わう「お茶漬け膳」

京都の町並や人気の寺社をゆったり楽しむなら、朝の散策がおすすめ。早起きした自分へのご褒美に、おいしい朝ごはんはいかがですか。第1回は、ちりめん山椒の名店「やよい」のカフェから。数量限定の「お茶漬け膳」を紹介します。

東山散策に便利な「やよい」の“はなれ”に隠れ家あり

「やよい」の本店は、観光スポットの多い東山エリアにあります。八坂神社の南楼門から南へ徒歩約2分。高台寺や清水寺へ続く下河原通りに面し、散策の道すがら立ち寄るのに便利です。朝10時開店なので、清水寺(6時開門)や八坂神社(24時間開門)に参拝したあとで、ひと休みしながらゆっくり朝ごはんを味わうのもおすすめです。

京都らしい風情のある町並に馴染む、数寄屋造りの店舗。手がけたのは名匠・中村外二氏です。大きな鞍馬石を使った玄関の敷石には毎朝、打ち水がされ、茶道のもてなしの心を大切にされています。この店の奥に、知る人ぞ知るカフェスペースがあるのです。入り口はちょっとわかりにくいのですが、店員さんに尋ねると丁寧に案内してもらえます。

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創業昭和57年(1982)。現在の本店へは平成6年(1994)に移転、カフェは平成16年(2004)開業。看板の文字は、「おじゃこ」の名づけ親でもある清水公照師(東大寺長老)によるもの。
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“はなれ”へ続く廊下の入り口。貴重な一枚板で作られた引き戸など、木材を贅沢に取り入れる数寄屋建築の粋がいたるところに。
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うなぎの寝床らしい細長い廊下を通って、期待がふくらむカフェへ。
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店舗とカフェを隔てる坪庭。(右手奥に見えるのが店舗)

和×北欧モダンの居心地いい空間を味わう

廊下を抜けた先がカフェのエントランス。石畳につくばいと待合をしつらえた、茶室の路地を思わせる空間です。カフェに入ると一転、純和風の店構えからは想像もしなかった北欧モダンなスペースに驚きます。デンマークを代表する照明ブランド「ルイスポールセン」のアンティークペンダントライトや、「ジェイエルムラー」のダイニングチェア、フィンランドのキッチンインテリアで知られる「イッタラ」のオブジェ。さりげなく配された憧れの名品に囲まれて、オーダーを待つ間も贅沢な空間を味わえます。障子越しの光のように穏やかな間接照明、奥まった“はなれ”ならではの静けさ。観光地の店舗内ということを忘れてしまうほど、心地よく落ち着ける場所です。

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茶室の路地風にしつらえたエントランス。ここから先は一転、北欧モダンな「現代の茶室」(カフェ)。
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木のぬくもり、その特性を生かした機能美、シンプルで人にやさしいデザインなど、日本の数寄屋造りと北欧家具には、実は本質的な共通点がある。
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奥に見える小さな庭の緑も心を和ませてくれる。

自慢の佃煮と土鍋で炊いたご飯、からだと心に美味しい朝食

ブランチにもいい食べごたえなら、品数豊富で目にも楽しい「お茶漬け膳」がおすすめ。朝食限定メニューではないのですが、平日10食・土日祝20食限定なので、できるだけ早い時間に来店を。来店確実なら予約も可能です。やよい自慢の佃煮盛り合わせとおばんざいを、土鍋で炊きあげた近江米のご飯とともに堪能できます。最初の1膳はそのまま、2膳目は特製だしのお茶漬けで味わってみてください。食事の後に小さなデザートもついて、おなかも心も満たされます。

あっさり軽めの朝ごはんには、「じゃこ粥」もあります。こちらは白粥に「おじゃこ」(ちりめん山椒)、おばんざい一品、汁物、香の物のセットで、朝11時までの限定です。また、甘味もおいしく良心的なので、ゆっくりお茶を楽しみたい日にもどうぞ。お茶や抹茶は京都の老舗、一保堂茶舗のもの。自家製の抹茶ゼリーとほうじ茶ゼリーがダブルで楽しめるゼリーパフェも人気です。

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注文してから土鍋で炊きあげるご飯、佃煮の盛り合わせ、汁物、自家製ゆず豆腐、おばんざいの小鉢2品(佃煮と料理は季節にあわせて内容が替わる)
商品名:「お茶漬け膳」(デザート付き)1,390円(税込)
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炊きたてのご飯に「おじゃこ」。1膳目はそのまま味わう。
CAFÉ RESTAURANTやよい お茶漬け膳3
2膳目は特製だしをかけて。昆布とかつおの出汁に玄米茶が少しブレンドされた特製だしは、淡くやさしい味わい。
CAFÉ RESTAURANTやよい お茶漬け膳4
食後のデザートも自家製で季節ごとの味が楽しめる。写真は黒豆の入ったレアチーズケーキと赤ワインの羊羹。

「やよい」からすぐそこの名所、石塀小路(いしべこうじ)

「やよい」の前の下河原通りを南へ少し歩くと、左手に細い路地の入り口が見えます。高台寺門下の「ねねの道」へ通り抜けができる「石塀小路」です。明治末期から大正時代にかけて形成されたと伝わる路地空間で、石畳を敷き詰めた小道の両側に石塀を持つ町家や旅館、料亭などが建ち並び、独特の風情ある景観をつくりだしています。石畳の一部には昭和50年代に廃止された市電の敷石も使われていて、古都の近代浪漫を体感できる人気スポットです。写真撮影は、残念ながら禁止されています。入り口を見つけたら、そっと入って静かに散策してください。

石塀小路
下河原通りから石塀小路への入り口。屋根の上のランタンを目印に。うっかり見逃したら、少し先(南)にも、もうひとつ入り口がある。

基本情報

  • 店名
    CAFÉ RESTAURANTやよい
    住所
    京都市東山区祇園下河原清井町481
    電話番号
    075-531-8317(カフェ直通)
    URL
    http://www.yayoi-ojako.co.jp/cafe
  • 施設名
    石塀小路
    住所
    京都市東山区下河原町

この記事を書いた人

京うさぎ
京都生まれ・京都育ちのライターです。うさぎのように聞き耳を立てて、ぴょんぴょんと面白い場所やコト、美味しいものを探しています。最近は、静かで緑豊かな郊外や府下もお気に入り。