フランス・パリのノートルダム大聖堂の火災を受け、文化財の防火対策を見直す動きが広まっています。南丹市・美山町のかやぶきの里では、毎年春と秋に「一斉放水」を実施。珍しい防火訓練の様子を見ようと、多くの観光客が訪れています。
“日本の原風景”が残る美山町
京都府のほぼ中央にある南丹市美山町には、伝統的技法で建てられたかやぶき民家が見られます。特に多くの民家が集まっているのが北村エリア。のどかな田園にかやぶき民家が建ち並ぶ様子は“日本の原風景”とも言われています。
集落内には民俗資料館や民宿、カフェなどがあり、散策しながら景色を楽しめるようになっています。
地域を挙げての防火訓練
貴重なかやぶき民家を守ろうと、春と秋には「一斉放水」が行われています。2000年には民俗資料館が不審火によって焼失。それを受け、年に2回の防火訓練が続けられてきました。
集落内には62基の放水銃が設置されています。一斉放水では、その放水銃の一斉点検と地域住民の火災予防講習が行われているのです。
水のアーチに包まれて
一斉放水の間、集落内は立ち入り禁止に。観光客らは離れた場所からその様子を見守ります。午後1時30分になると、辺りにサイレンが鳴り響きます。そしてかやぶき民家に向け、放水銃から次々と水が発射されました。
新緑の山々に水のアーチがかかる光景は、美山の春の風物詩。放水は約5分間続き、終わりを告げるサイレンによって締めくくられました。
春の一斉放水は、2019年は5月20日(月)の午後1時30分から行われます。