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花脊の松上げEC

京都北部の夏の風物詩「花脊の松上げ」

8月中旬から下旬にかけて、京都市の北部では「松上げ」を見ることができます。松上げは、精霊送り火として地域の人々に受け継がれている行事。8月15日に開催される「花脊の松上げ」を紹介します。

鞍馬から花脊峠を超えて

左京区の鞍馬から峠道を進むと、花脊の集落に着きます。豊かな自然に囲まれた人口200人ほどの小さな集落です。キャンプやスポーツが楽しめる「花脊山の家」や、広大な森林公園の「山村都市交流の森」などがあります。

松上げが行われるのは、「山村都市交流の森」近くの河原。市内から観賞バスも運行され、毎年多くの人が訪れています。

花脊の松上げ1
鞍馬温泉から先は、杉林に囲まれた細い道が続く
花脊の松上げ2
上桂川沿いの松上げ場では、松明が準備されていた

河原を照らすたくさんの松明

松上げは、夜9時頃から始まります。河原には約千本の松明が灯され、中心には大笠を取り付けた灯籠木(とろぎ)が立っていました。

法被姿の男性たちが、「あげ松」と呼ばれる縄が付いた松明を持って灯籠木の下へ。大笠をめがけて、次々とあげ松を投げていきます。最初の一つが大笠に入り燃え上がると、大きな歓声が上がりました。

花脊の松上げ3
河原一面に並ぶ松明 ※写真は2018年の様子
花脊の松上げ4
あげ松は回転で生まれた遠心力を利用して投げ入れられる

燃え盛る灯籠木を眺めて

一つまた一つと大笠にあげ松が入り、勢いよく燃え上がります。投げ入れるのが止むと、いよいよ松上げもクライマックス。高さ20mほどある灯籠木が引き倒され、大笠の火が消されます。

2019年の松上げは、8月15日(木)の夜8時から。京都北部に残る伝統行事を見に、足を運んでみませんか?

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火柱を上げながら燃える大笠
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男性たちがロープを引くと、大きな音を立てながら灯籠木が倒れた

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この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。