観光客で賑わう花見小路から1本西に入るだけで、喚声がウソのようにひっそりとする。その路地にたたずむ、こぢんまりとした割烹の店「ぎおん佐藤」。京料理とともに寿司が楽しめることから、定期的に通う京都人も少なくない。
懐石も寿司も食べたい人に
京都で懐石料理の合間にちょっと寿司でもつまみたいなと思ったときにおススメなのが、この店。元京都ホテルオークラの和食の料理長が独立して開いた店で、当初は祗園北側の切通しにあったが、今年(2015年)2月、現在地に移転された。1階はカウンター席で、2階が8人と6人のテーブル席。前よりも広くなった。
コース料理を頼むと、最後の締めに彩の鮮やかなお寿司が出てくる。小ぶりだから、お腹がいっぱいでもあっさりと食べられるのがうれしい。
旬の味覚を堪能
今回は懐石料理(1万円~)ではなく、おいしいものをちょっと選んでいただくことにした。まず八付をいただいたあと、お造りの盛り合わせと焼き物はキンキをお願いした。京都ではぐじ(甘鯛)が定番だが、脂ののったキンキも捨てがたい。野菜は賀茂ナスの揚げ出汁とズイキとぐじの葛あんかけ。どちらも今が旬の京野菜である。シメは、牛肉のしぐれ煮ごはん。賄い食から格上げされたそうだが、白いご飯としぐれ煮、生卵の相性がよく、思わずお代わりをしたくなった。