初夏から夏にかけての京都人が愛する魚といえば、海の鱧(はも)と並んで川の鮎である。六月の鮎釣りの解禁が報じられると、「そろそろ鮎の季節やなあ」とそわそわしだし、「そうだ。鮎一へ行こう」となる。料理屋の会席や割烹のメニューに鮎の塩焼きが載るようになるのもこのころだ。
季節の魚を堪能できる店
「鮎一」は、夏は鮎や鱧、冬はふぐ、くえなど、京都で魚を食べたいときにおススメの一軒。値段もリーズナブルなのがよい。4人掛けテーブルが2席、2組も入れば満員の小ぢんまりした店なので、早めの予約が必要だ。
鮎を中心に川魚を味わう
今回は鮎のコース(8000円)をお願いした。ここの鮎は小ぶりで、鮎が苦手な人でもおいしく食べられる。
①一品目は鮎の背ごし。薄く輪切りにした造りで、一切れは小さいものの、こりこりとして歯ごたえがあり、美味。
②二品目は、鮎の塩焼き。小ぶりの鮎は頭からしっぽまで丸々食べられる。
③次いで、アマゴの唐揚げ。こちらは鮎ほど香りが強くなく、レモンと塩でいただく。その横に付いているのが、鮎の骨煎餅。先ほどの背ごしの鮎の骨を揚げてくれたものだ。
④四品目が、鮎の揚げ出汁。鮎と出汁がいいあんばいでマッチしていた。
⑤五品目が、ウナギの白焼き。外がカリッとして、中はふわふわ。土生姜ともよく合う。
⑥六品目は、鮎の南蛮漬け。キュウリ、ミョウガ、タマネギと一緒にいただいた。
⑦七品目が鮎の一夜干し。珍しい鮎の干物で、酒のアテにちょうどよい。
⑧シメは土鍋で炊いた鱧ごはん。鱧まで食べられるとはラッキーだった。