京都の甘味処である梅園は、四角いみたらし団子や、あんこたっぷりの金時氷などでよく知られる人気店です。1927(昭和2)年創業で現店主の西川葵さんは三代目。カフェにギャラリースペースを併設した、うめぞのCafé&Galleryに続いて、和菓子の新展開を仕掛けるべく、うめぞの茶房をオープンされました。西川さんが生み出す新しいスタイルの和菓子「かざり羹」を求めて足を運んできました。
うめぞの茶房があるのは北区紫野の閑静な住宅街。建勲神社や大徳寺へお参りした際の立ち寄りスポットとして人気の鞍馬口通にあります。アンティークカフェのさらさ西陣や、ものづくり体験工房の藤森寮がある並びにあるので、すぐに見つけることができます。

店内に入って最初に目に飛び込んでくるのがアンティークのショーケース。その中に「かざり羹」が一点ずつきれいに並べられています。
かざり羹は、小さな羊羹の上にフルーツやハーブなどがトッピングされた和菓子。ケーキと見間違えてしまうほど鮮やかな色合いで、目を楽しませてくれます。
かざり羹のベースに使われている羊羹は、わらび粉や蓮根でんぷん、寒天などを材料にして手作りされたもの。一般的な羊羹と比べると、とてもやわらかくなめらかな舌ざわりに仕上がっています。その上にのせられるトッピングも生クリームに一味、ピスタチオに柚子など、こだわりと意外性を感じさせる組み合わせです。



ショーケースのなかの一品一品には、トッピングされているものが具体的に書かれた商品カードが付いています。例えば、白あん、ピスタチオ、柚子をのせた「ラズベリー」、生クリーム、ほうじ茶、チャービルをのせた「レモン」など、どれも味を想像するが難しいものばかり。ショーケースをのぞきこんで散々迷った末、今回は「桜」「よもぎ」「紅茶」の三品をチョイスしてみました。
実際のお味は、驚くほどハイレベルに、それぞれの素材の個性が融合していました。


