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伏見Vol.2 EC

伏見の名水と名酒を訪ねる 
Vol.2:酒どころ伏見を育んだ名水

良質の地下水に恵まれた伏見。ミネラルをバランスよく含んだ名水が、きめ細かくまろやかな伏見の酒を育んでいます。伏見の名水と、酒にちなんだ美味しいものを訪ねました。

酒造の町で名水めぐり

十石舟乗り場の近くにある辨財天長建寺は、朱塗りの唐風山門が印象的なお寺。京都で唯一、河川が神格化したという弁財天が本尊で、江戸時代には廻船の守護神とされていました。財宝福徳・出世開運・諸芸上達などをもたらす「島(中書島)の弁天さん」と親しまれています。

伏見 - 名水 閼伽水
弁天堂の横に「閼伽水」(あかすい)が湧き出る。「閼伽水」とは仏様にささげる水のこと。
伏見 - 名水 白菊水
「白菊水」は、山本本家の酒造りに使われる。「神聖」酒蔵の一棟を改装した鶏料理店「鳥せい本店」駐車場に面していて、誰でも気軽に利用できるため観光客や地元の人で終日賑わう。
伏見 - 名水 伏水
「伏水」は、キザクラカッパカントリー向かいの黄桜記念館(南側)中庭に湧く中軟水。蛇口をひねると出るようになっていて、毎日多くの人が水を汲みに訪れる。
伏見 - 名水 さかみづ
「さかみづ」は、地下約50メートルから汲み上げ、月桂冠大倉記念館に隣接する内蔵で酒造りにも用いられている。「さかみづ」とは、「栄え水」のことで、酒の異名であった。
酒どころ伏見、激動の歴史

1635年に参勤交代が始まり、西国の大名はすべて伏見に逗留して江戸へ向かうこととなり、酒の需要も伸びていきました。しかしその後、伏見の酒は苦難の時代を迎えます。幕府による酒造高の制限、洛中への酒移入禁止、さらに鳥羽伏見の戦いでは町の大半が焼失しました。

伏見 - 濠川沿いの酒蔵
大名の本陣や旅籠、船宿などから近い濠川沿いに、酒蔵が集中していた。

明治になって、物流の中心は水運から鉄道へと変わっていきます。日本初の路面電車が伏見-塩小路高倉間に開通。大阪や奈良との間も鉄道で結ばれました。やがて伏見の酒は、鉄道によって東京をはじめ全国に知られるようになりました。

伏見 - コップ付き小びん
1910年に考案された「コップ付き小びん」は、当時の鉄道院で「駅売りの酒」として採用された。当時の意匠を復刻した「月桂冠レトロボトル 吟醸酒」。
「酒の博物館」月桂冠大倉記念館

伏見の酒造りと日本酒の歴史・文化をわかりやすく紹介する、酒の博物館。館内には「酒造り唄」が流れ、昔ながらの酒蔵の雰囲気を味わえます。見学後は、3アイテムの利き酒ができます。

伏見 - 月桂冠大倉記念館
明治末期の1909年建造の酒蔵を改装。
伏見 - 酒造用具類
京都市有形民俗文化財の指定を受けた酒造用具類6,120点を保存し、酒造工程にしたがって400点を常設展示している。
伏見 - レトロポスター
当時の雰囲気が感じられるポスターも展示している。
伏見 - 月桂冠酒香房
「月桂冠酒香房」では、ガラス越しに昔ながらの酒づくりを見学できる。麹の作用で米のデンプンが糖になり、この糖を酵母がアルコールに変えていくという。(前日までに予約)
伏見 - 酒林
酒林(さかばやし)は、神木である杉の葉を束ねて球状に整えたもの。昔は酒屋の看板として、新酒ができたことを知らせるため軒先に新しい酒林を吊るした。
おくつろぎ処・おみやげ処・あんない処「伏見夢百衆」

利き酒セットをはじめ、酒の仕込み水で抽出した水出しコーヒーや紅茶、清酒アイスクリームなど、伏見の名水や名酒にちなんだ美味しいものが楽しめます。伏見の地図やパンフレットも揃っています。

伏見 - 伏見夢百衆
月桂冠本店として使用されていた、大正時代の建物を活用している。
伏見 - 吟醸 酒カステラ
お土産としても人気の「吟醸 酒カステラ」は吟醸酒が練りこまれ、しっとりした食感。ほのかな日本酒の香りが漂う。冷やして食べるとなお美味しい。
商品名:「吟醸 酒カステラ」 180円
地元伏見の酒粕を使った「酒粕拉麺」

玄屋の名物は、鶏ガラと豚骨をベースに酒粕と醤油で味付けした「酒粕拉麺(ラーメン)」。味噌のような濃厚なコクがあり、酒粕の香りがほのかに漂います。アルコールは飛ばしてあるので、子どもやマイカーの方でも安心して楽しめます。

伏見 - 玄屋
伏見桃山駅からは大手筋を進み、京都銀行の角を右に曲がってしばらく歩く。
伏見 - 酒粕拉麺
やや厚切のチャーシュー・大根の千切り・もやし・ねぎ・油揚げが入っている。七味を掛けていただく。
商品名:「酒粕拉麺」 800円
「閼伽水」
寺社名 辨財天長建寺
住所 京都市伏見区東柳町511
電話 075-611-1039
「白菊水」
住所 京都府京都市伏見区上油掛町186(「鳥せい本店」駐車場)
「伏水」
住所 京都市伏見区塩屋町228(黄桜記念館、南側中庭)
「さかみづ」
住所 京都市伏見区南浜町247(月桂冠大倉記念館内)
月桂冠大倉記念館
住所 京都市伏見区南浜町247
電話 075-623-2056
URL http://www.gekkeikan.co.jp/index.html

伏見夢百衆
住所 京都市伏見区南浜町247
電話 075-623-1360

玄屋
住所 京都市伏見区東組町698パークテラス桃山1F
電話 075-602-1492

この記事を書いた人

Miki
緑と海が好き、身体を動かすことが好き、食べることが大好き、食欲もりもり天然人。