もともとは精進料理としてふるまわれ、僧侶たちの食生活を支えてきた湯葉。近年では、その植物性タンパク質の豊富さが注目を浴びるようになり、おいしくてヘルシーな食材として人気が高まってきました。今回は、そんな湯葉をふんだんに使った定食が、お手頃価格で味わえてしまう「ゆばんざい こ豆や 錦店」を紹介します。
繊細な技術を要する「湯葉」づくり
そもそも湯葉とは、豆乳を煮たとき、表面に張る「膜」のこと。ホットミルクを作ったとき、膜ができるのと原理的には同じです。その膜をそっとつまみあげたものが湯葉になるのですが、豆乳全体からとれる量はなんと10分の1程度。湯葉づくりはたくさんの人手を要するだけでなく、量産も難しい食品なのです。
京都の食を支える、こだわりの品
さて、「ゆばんざい こ豆や」とは、湯葉づくりの名店「上田湯葉店」さんプロデュースのお店。手作りにこだわり、ふつうの大豆だけではなく、黒豆や緑豆を原料にした珍しい湯葉も生産されています。生産された湯葉の9割は、その日のうちに冷蔵し、京都の割烹や料亭、お寿司屋さんなどに出荷しているのだとか。京都の「食」を支えるお店の一つなのです。
平日ランチはなんと1000円以下!職人の心意気を味わう
定食のメニューは湯葉のお造り、湯葉のどんぶり、揚げ湯葉、湯葉サラダなど、まさに湯葉づくしのラインナップ。もちろん、お味噌汁にも湯葉が入っています。これだけの豪華な内容にもかかわらず、平日限定のランチはなんと980円。最近は大豆の価格が2倍近くに上昇したそうですが、それでもお値段を据え置きにされている心意気は、職人のそれだと言えるでしょう。錦市場からも近い「ゆばんざい こ豆や」さんで、繊細な湯葉のおいしさを堪能してみてはいかがでしょうか。