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ゆばんざい こ豆やEC

「湯葉」のランチをお手頃価格で。「ゆばんざい こ豆や」

もともとは精進料理としてふるまわれ、僧侶たちの食生活を支えてきた湯葉。近年では、その植物性タンパク質の豊富さが注目を浴びるようになり、おいしくてヘルシーな食材として人気が高まってきました。今回は、そんな湯葉をふんだんに使った定食が、お手頃価格で味わえてしまう「ゆばんざい こ豆や 錦店」を紹介します。

ゆばんざい こ豆や1
「京の台所」錦市場にもほど近い「ゆばんざい こ豆や 錦店」。3階にあるためか、お昼時でも混雑しすぎない。まさに穴場と言えるお店。
ゆばんざい こ豆や2
席はすべて掘りごたつ式。このテーブル板も、手作りにこだわる「上田湯葉店」さんが、伏見の家具店「daBOSCO(ダボスコ)」さんに制作を依頼したものだそう。手作りにかける、京都人の思いが伝わってくる。
繊細な技術を要する「湯葉」づくり

そもそも湯葉とは、豆乳を煮たとき、表面に張る「膜」のこと。ホットミルクを作ったとき、膜ができるのと原理的には同じです。その膜をそっとつまみあげたものが湯葉になるのですが、豆乳全体からとれる量はなんと10分の1程度。湯葉づくりはたくさんの人手を要するだけでなく、量産も難しい食品なのです。

ゆばんざい こ豆や - 汲み上げ湯葉
湯葉には、豆乳の温度がまだ低いうちにすくい上げる、どろっとした「汲み上げ湯葉」と、その後に固まる、シート状の「引き上げ湯葉」がある。写真は「汲み上げ湯葉」のどんぶりで、たっぷり絡んだ豆乳がおいしい。
京都の食を支える、こだわりの品

さて、「ゆばんざい こ豆や」とは、湯葉づくりの名店「上田湯葉店」さんプロデュースのお店。手作りにこだわり、ふつうの大豆だけではなく、黒豆や緑豆を原料にした珍しい湯葉も生産されています。生産された湯葉の9割は、その日のうちに冷蔵し、京都の割烹や料亭、お寿司屋さんなどに出荷しているのだとか。京都の「食」を支えるお店の一つなのです。

ゆばんざい こ豆や - 湯葉のお造り

ゆばんざい こ豆や - 黒豆湯葉
他ではなかなか見かけない、黒豆湯葉のお造り。「きゅっ、きゅっ」とした歯ごたえと、つるつるの食感がなんとも言えず美味しい。
平日ランチはなんと1000円以下!職人の心意気を味わう

定食のメニューは湯葉のお造り、湯葉のどんぶり、揚げ湯葉、湯葉サラダなど、まさに湯葉づくしのラインナップ。もちろん、お味噌汁にも湯葉が入っています。これだけの豪華な内容にもかかわらず、平日限定のランチはなんと980円。最近は大豆の価格が2倍近くに上昇したそうですが、それでもお値段を据え置きにされている心意気は、職人のそれだと言えるでしょう。錦市場からも近い「ゆばんざい こ豆や」さんで、繊細な湯葉のおいしさを堪能してみてはいかがでしょうか。

ゆばんざい こ豆や - 平日ランチ
平日のお昼限定のサービスランチ(980円)。メインのどんぶりは、「汲み上げ湯葉」「引き上げ湯葉(あんかけ)」から好きなほうを選ぶことができる。量もたっぷりあるので、男性の方でも満足できそう。
ゆばんざい こ豆や - サラダ
パリパリとした乾燥湯葉の食感が楽しいサラダ。小鉢には他にも、おからを使った卯の花やおぼろ豆腐などがあり、大豆の美味しさを余すところなく楽しむことができる。
ゆばんざい こ豆や - おから茶
店内でいただける「おから茶」は、レジ横でも販売されている。

基本情報

この記事を書いた人

たま
実家を出て、京都市内で暮らし始めて早2年。「一日一猫」ルールを自分に課し、日々、新たな猫がいそうな場所をうろついています。散歩が好きで、気付けば四時間ほど歩き続けていたことも。