三条通り御幸町にある「カフェ アンデパンダン」の見どころは、京都市登録有形文化財に指定された、アールデコの影響がみられるその建物。当カフェのある地下1階は、巷では廃墟カフェと呼ばれる唯一無二の空間です。
雑多な雰囲気が心地よい
カフェ アンデパンダンの入った建物の名は「1928」ビル。毎日新聞社の京都支局として建てられた西暦年が由来です。
老朽化による取り壊しの話もあったようですが、改修・補強工事が1998年に行われ、廃墟同然だった地下をリノベーションし、カフェ アンデパンダンが誕生しました。廃墟カフェと呼ばれるのは、建築当時からの漆喰壁画、タイル、レンガなどを完全には修復せず、現在の空間のデザインに活かし、ノスタルジックな雰囲気はそのままにしているからです。
比較的新しいファッションビルが建ち並ぶ周囲をよそに1928ビルへと入れば、そこには別世界が広がります。アンデパンダン=自主独立と掲げられているように、広々とした雑多な空間が居心地のよいカフェです。




ダイナミックな空間で、食べ応えあるサンドイッチ
店内に足を踏み入れると、海外の映画などで見る秘密のアジトのような雰囲気に圧倒されます。廃墟のように荒々しくもノスタルジックで、自由に人々が集う広場や公園のようでもあります。一枚板の大きなテーブルが多く並ぶダイナミックな空間が、1人でも大勢でも長居したくなるような、包容力のある空間になっています。

今回注文したのは、ランチメニューの「本日のサンドイッチ」で、この日は「野菜のマリネとパストラミビーフのサンドイッチ」。それにオニオンスープ、フライドポテトにピクルスが添えられています。
サンドイッチは見た目も鮮やかで、程よい酸味とシャキッとした食感が美味しいマリネと、スパイスのきいたパストラミビーフ、コクのあるチェダーチーズも入って、見た目よりもかなり食べ応えがありました。香りがよく飲みやすいアイスコーヒーで後味も爽やかに。

月に2、3回は多彩なジャンルのアーティストたちのライブが行われているのも気になるところ。ビル全体が演劇やアートの拠点になっており、京都カルチャーを垣間見ることもできます。
明るく陽気なカフェ、純喫茶、古民家を改装したレストラン、そんなお店に行き尽くしたら、ぜひ行っていただきたいカフェです。