居酒屋の定番ドリンク、サワー。通常はレモンやグレープフルーツの果汁を使った爽やかなものが定番です。しかし、その常識が通用しないお店が、京都裏寺町にあります。果実や野菜、時にはハーブがゴロゴロと、ふんだんに使われた進化系サワーが味わえるお店。その店の名はそのままズバリ、「SOUR」といいます。
フォトジェニックなサワーに会いに
四条河原町駅からほど近い京都裏寺町に、昨年オープンしたスタンディングバー「SOUR(サワー)」。サワーというと、居酒屋や焼き鳥屋で出てくる、あの飲み物を想像しがち。しかし、この店のソレはビジュアルからして、まったく違うのです。注文してカウンターにグラスが登場した瞬間に、思わず写真に残したくなるフォトジェニックな姿がここのサワーの魅力。さっそく店内に入ってみましょう。
店に入るとまず、店内奥の冷蔵棚にぎっしりと並んだ果物や野菜が目に飛び込んできます。
メニューは、果物や野菜の旬に合わせておおよそ20〜30種類。キャッシュオンスタイルのカウンターで注文をすると、棚からそれらを取り出し、目の前で絞ってサワーを作ってもらえます。
この日のオススメはデコポン。大ぶりなものを半分にカットし、果汁、果肉もどさっとグラスの中にいれたら、炭酸が弾けるたびにデコポンの香りが漂う一杯の出来上がりです。
市場から直送される旬の果実が安さの秘密
「SOUR」ではデコポンに限らず、ざくろや柿など高級な果物をたっぷりと使用しているものの、一杯の価格は400円〜800円ととってもリーズナブルです。
その理由は、旬の美味しい果物を一番美味しいタイミングで、一番安く仕入れるためのルートを確立しているから。
カウンター越しにお話を聞くと、果物は、京都中央卸売市場から毎日仕入れているそう。さらに、レモン・ライム・マイヤーレモンなどの柑橘類は、淡路島の生産農家から直接買い付けているのだといいます。
果物を使ったメニューだけではなく、山椒と木の芽を使った京都らしいものや、ごぼう、朝鮮人参などの変わり種も揃うのが、この店のサワーの素敵なところ。
山椒と木の芽のサワーは、鼻の奥に抜ける涼風のような木の芽の香りの後に、舌にピリっとくる刺激が特徴で、「果物や甘いものが苦手」という辛党の方にもオススメです。
「SOUR」を拠点に、ほろ酔いで京都の街巡りへ
開店は15:00。まだちょっと陽の高いうちからお酒を飲めてしまうのです。「映画の前やお寺巡りの前に、フラッと立ち寄ってくださる方や、ご夫婦やカップルで連れ立っていらっしゃる方も多いですよ。最近では開店後の早い時間にいらしたと思ったら、観光の帰りにまた寄ってくださったり、といったことも多いですね」と話すのは、代表の鈴木さん。
「SOUR」は、京都観光の起点ともなる阪急河原町から徒歩5分ほどのところにあります。
観光の前に爽やかな一杯を楽しんで、観光終わりに“お疲れ様”と杯を空けてから電車に乗って、なんて使い方もオススメですよ。