「麦酒は麦茶みたいなもの」が口癖のライター麦子が、ほろ酔い(ときにへべれけ)を求めて彷徨う、京都の酒場探訪です。
お肉より魚派の私。今夜はずっと気になっていた「海鮮処わたなべや」へ。御池通より北に呑みに出ることは基本ないのだけど、寒の戻りの底冷えの中、満を持して歩を進める(大げさ)。お店は押小路通東洞院を東に入ったところ。横には小粋なフレンチのお店もあって、こっちも気になるけど今日は魚、肴を食べる。
中に入ると大きいテーブルに通される。12人が座れる一枚板のテーブルの向かいには仲睦まじい夫婦、横と斜めには仕事帰りのサラリーマン、そしてテレビから流れる阪神戦。いい感じのごちゃごちゃ感と人間観察が楽しそうなお店ですっかり気に入る。
まずはビールから。プレミアムモルツの生中が480円!と知りテンションが上がる。
メニューはお造り、焼き魚、煮魚、揚げ物と魚介中心ながら、地鶏もある居酒屋ラインアップ。向かいの夫婦のテーブルの煮付が目に入り、私たちも煮付を頼むことに。ほかは悩んで2品を注文。
「なめろう」
お通しは「なめろう」。あまり食べたことはなかったけれど、たたいたお魚と味噌が絡みあってなかなか美味。これはビールよりも日本酒と一緒にちびちび食べたくなる。後から来たお客さんには「のれそれ」が出ていた。
「鯛白子ポン酢」750円
魚介自慢のお店だけあって大きくて立派な白子!ここまで大きいのはあまり見かけない。口に入れるとプチっとはじけてとろける。4組限定で「鯛の白子天ぷら」もあるようだったが、今夜はポン酢気分。
海老芋のカニあんかけ
こっくりホクホクの海老芋に白だしが効いたあんが絡み相乗効果。海老芋って甘さと粘り気が絶妙で里芋より好み。夢中で食べてしまい値段を控えるのを忘れてしまった。
ここまででビール2杯。まだ週半ばなのに、全体に濃い目の味付けがお酒をすすめてしまう。向かいの夫婦が豪快な50代と思しきパワフルなお姐さん3人に変わり、途端に騒がしくなった。どうやら2軒目らしく、いきなり熱燗をオーダーしてすぐに飲み干している。「お兄さぁ~ん!熱燗おかわりぃ~」と高々と徳利をフリフリ。自分たちの未来の姿なのかと思うと少し複雑な気分になるが、こちらは静かに冷酒を頼む。
「竹の子と黒めばる煮付」1580円
メインの煮付は予想通りの大皿で登場。骨離れもよくほろほろと身がほぐれ、たっぷり入った煮汁に浸していただく。やはりめばるは煮付に限る。やわらかな筍にも味がしゅんでいて、こちらも春の味わい。飲めない人は白ごはんと一緒がいいと思う。
最後にもう1品、揚げ物の中から食べたいものを探し、甘エビのてんぷらを頼んでこれにて打ち止め。日本酒のおかわりもぐっとガマンした。
「海鮮処わたなべや」の2階には座敷があり宴会もできるらしく、会社忘年会のお店候補に勝手にノミネートしておこうと思う。居酒屋で煮付のメニューが豊富なところは珍しい。もう少し会社に近いとうれしいのだけど、ちょっと歩いてでも来たくなるお店だった。
店 名 | 海鮮処わたなべや | |
住 所 | 京都市中京区押小路通東洞院東入ル左京町124 | |
電 話 | 050-5799-2405 | |
URL | http://r.gnavi.co.jp/kbed500/ |