左大文字で知られる大北山の麓に広がる「しょうざんリゾート京都」。敷地内には四季折々の風景が見られる「しょうざん庭園」があり、花菖蒲がちょうど見頃を迎えています。
自然と伝統文化に育まれた場所
「しょうざんリゾート京都」は、結婚式場に会員制ホテル、料亭や織物工芸館などを備えた複合リゾート施設です。江戸時代の初めに、芸術家で琳派の創始者でもある本阿弥光悦が、この地に芸術家を集めて光悦村を開きました。昭和になり、呉服商の松山政雄が「花と緑の観光工場」として庭園を整備し貴重な建造物を移築。一般に公開したのが始まりと言われています。
併設する「光悦芸術村 茶花園」では友禅染の実演や山野草のいけ花教室などが行われ、和の文化に触れられるのも魅力です。
趣向を凝らした庭園を散策
しょうざん庭園は、約3万5千坪の広さを誇る日本庭園。北庭は鮮やかな苔に覆われ、北山台杉が立ち並びます。中には樹齢数百年のものもあり、力強く枝を広げる様子は圧巻です。
しばらく歩くと、風格ある佇まいの迎賓館「峰玉亭(ほうぎょくてい)」が見えてきます。その前に広がるのは、鷹峯の山々を借景にした雄大な景色。近くには古い酒樽を利用したユニークな茶室に、裏千家宗匠の玄々斎が設計した「聴松庵(ちょうしょうあん)」も見られます。
水辺を彩る花菖蒲
池の周りには、たくさんの花菖蒲が咲いていました。白や紫の大ぶりな花は、爽やかな木々の緑によく映えます。池の畔に座って、ゆっくりと眺めてみましょう。2019年は6月9日(日)まで、花菖蒲と一緒に御食事や聞香体験などができる「華しょうぶの会」も開催されています。
6月中旬になると、紙屋川沿いで紫陽花が見頃を迎えます。風情ある庭園で、初夏の花を楽しんでみませんか?