東寺で毎年6月15日に行われている「弘法大師降誕会(ごうたんえ)」。開祖である弘法大師空海に報恩感謝する行事です。地域の子どもたちなど、たくさんの人々でにぎわいます。
平安京を守護していた東寺
東寺は、奈良の平城京から京都の平安京に遷都される際に、都の守護のために建てられたお寺です。その後、嵯峨天皇より東寺を下賜された弘法大師空海によって、真言密教の根本道場となります。空海は東寺を「教王護国寺」と改め、講堂や五重塔などの伽藍を次々と整備。堂々とそびえる五重の塔は、今も京都のシンボルの一つとして広く親しまれています。
空海に感謝の心を込めて
6月15日は、開祖である弘法大師空海が誕生した日。毎年この日に、空海の誕生を祝い感謝する「弘法大師降誕会」が開催されています。
午前10時頃になると、境内に吹奏楽の音色が響き渡りました。演奏していたのは洛南高校吹奏楽部の生徒たち。見事なマーチングを披露しながら、僧侶たちを先導するかたちで大日堂へと向かいます。大日堂では「ご誕生記念法要」が執り行われ、弘法大師の稚子像に甘茶が献じられました。
園児たちもそろってお参り
法要が終わると再び演奏が始まり、僧侶と演奏隊は大日堂を後にします。弘法大師像の前には長い列ができ、参拝者は順々に甘茶を献じていました。
法要に続いて地域の子どもたちが参加する「おさなごのつどい」が行われる予定でしたが、あいにくの雨で延期に。園児たちも大日堂を訪れ、お参りをしていました。