京都御所の北、閑静な住宅街の一角に幸神社(さいのかみのやしろ)はあります。厄除けや縁結びのパワースポットであり、またお猿の神様が祀られているという申年に、ぜひ訪れたい神社でもあります。
京の鬼門を1200年守り続ける
風水に則ってつくられた都市・平安京は、比叡山延暦寺などの寺社に鬼門封じの役割を任せました。創祀年代が不明の古社である幸神社もそのひとつです。桓武天皇によって、京の鬼門である北東の守護神「出雲路道祖神」として造営されたと伝えられています。鬼を塞ぐ道祖神・塞神の「塞」が「幸」に置き換わったといわれています。
お猿の神様を探して
猿は「魔去る」に通じることから、古くから神の使いとして考えられてきました。幸神社の本殿には、鬼門を守る三番叟(さんばそう:御幣を担いだ猿)が祀られています。また、歌舞伎の創始者である出雲の阿国が幸神社の巫女として仕えたと伝えられていることから、芸事上達を願う人々からも信仰を集めています。
石神さん―拝めば幸運、触れれば…?
境内の北東の隅に、「石神さん」もしくは「御石さん」と呼ばれる石の御神体が祀られています。幸神社は何度も火災に遭っていますが、石神さんだけは平安時代のまま無事に残っています。拝むと良縁に恵まれ、むやみに触れると祟りがあると伝えられています。
ひっそりとした小さな神社ですが、歴史深い幸神社をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。