3月3日は桃の節句。春の陽気に包まれたこの日、京都市内では様々なひな祭りの行事が開催されました。その一つの市比賣神社のひいな祭りに行ってきました。
女性の守り神を祀る市比賣神社
市比賣神社は795年に、都の東西の市場の守り神として創建されました。商売の繁栄を加護し、また御祭神の五柱すべてが女神様であることから女人の厄除けや守護などのご利益があるとされています。ひいな祭りでは雛飾りが公開され、本殿では人型の紙に名前を記し、それを天児と重ねて息を吹きかけて邪気を祓う「天児の祓い」が行われます。
華やかな衣装をまとった「ひと雛」
市比賣神社からほど近いひと・まち交流館で、衣紋(えもん)の実演や名物のひと雛を見ることができます。まずは衣紋の実演が男雛、女雛の順に行われます。女雛の十二単は思わず目を奪われるほどの美しさ。衣装を重ねるごとに華やかさが増していきます。三人官女や五人囃子が揃うと「ひと雛」の完成です。続いて天児ノ儀や官女の舞が披露されます。
ひいな遊びやお茶席も
ひいな祭りでは「投扇興」や「双六」、「貝合わせ」などの遊びも実演されます。遊び方を教えてもらい挑戦してみることも可能。なかなか体験できない江戸時代や平安時代の遊びを、大勢の方が楽しんでいました。お茶席では、お抹茶と「ひちぎり」という珍しい形の、京都のひな祭りの上生菓子がいただけます。最後にお抹茶でほっと一息。まるで平安時代にタイムスリップしたかのような、雅やかな雰囲気を楽しめました。