3月3日のひなまつり。この日は季節の変わり目に穢れを祓う五節句の一つ「上巳の節句」に当たり、また旧暦のこの時期に桃の花が咲くため「桃の節句」とも言われています。3月3日に先立って松尾大社で行われた、ひなまつりの様子をお伝えします。
子供の成長と幸福を祈願する「ひなまつり」
松尾大社は、701年に建立された京都市内でも古い歴史を持つ神社。醸造の神様を祀り信仰を集め、晩春には美しい山吹が見られることで知られています。そんな松尾大社の恒例行事「ひなまつり」は、例年多くの親子連れで賑わっています。
午前10時になると、参集殿の松竹梅の間で神事が始まりました。まず神職がお祓いをして、子供の成長と幸福が祈願されます。次に巫女による「豊栄の舞」が披露されました。
平安の情緒漂う「流し雛」
神事に続き、曲水の庭で「流し雛」が行われました。流し雛とは、人の形をした「形代」に穢れを移し、それを海や川に流すことで厄を祓うというもの。平安時代から続く風習で、上巳の節句でも行われてきました。江戸時代以降になると「上巳の節句」と庶民の女の子たちの「人形遊び」が合わさり、ひなまつりは全国的な行事になったと言われています。
流し雛では、短冊を器にのせて水路に浮かべます。曲線を描く水路を短冊がゆっくりと流れていく様子は、格別な風情が。平安時代の優雅な貴族の遊びを思わせる流し雛を、子供も大人も見入っていました。
オリジナルの雛人形が作れる催し物も
また参集殿では、ひなまつりにちなんで紙で雛人形を作る「ペーパークラフト」が行われました。流し雛を終えた親子連れが続々と集まり、仲良く折り紙で雛人形を折ったり、屏風やぼんぼりの絵をはさみで切り抜いたりしていました。会場には雛壇が飾られ、記念撮影をする姿も。親子で試行錯誤しながら雛人形を作りあげ、ひなまつりを満喫していました。