伏見は、ミネラル豊かな伏流水に恵まれ、古くは「伏水」とも書かれていました。宇治川・桂川・木津川・淀川を結ぶ交通の要であり、歴史を動かした人々に愛された場所でもあります。
院政の舞台、そして秀吉・家康の城下町に
平安時代は貴族が狩猟や遊興を楽しみ、白河上皇が大規模な離宮(甲子園球場33個分にも及ぶ)を造って院政を始めた伏見。また豊臣秀吉は、政治・軍事の要衝の地であるとし、伏見の丘陵に城を築きました。宇治川の水を引き込み、外濠として築かれたのが濠川(ほりかわ)です。
のちに伏見城の主となった徳川家康は、伏見城で征夷大将軍の宣下を受けます。三代将軍・家光によって廃城となるまでの約20年間、伏見は徳川氏の城下町として栄えました。
城下町の名残は、現在の桃山町などにある地名にもみられます。賤ヶ岳七本槍で知られる福島正則の屋敷があった「桃山福島太夫」、関ヶ原の戦いで西軍の総大将に擁立された毛利輝元・長門守秀就親子の屋敷があった「桃山毛利長門」など、枚挙にいとまがありません。
港町・宿場町として再生
京都二条と伏見を結ぶ高瀬川の開削や参勤交代により、伏見は再び活気を取り戻します。物資を運ぶ十石舟と幕府公認旅客船の三十石船が、伏見と大阪の間を往来。朝と夕に「船が出るぞー」の掛け声とともに三十石船が出港する情景は、落語「三十石」などに描かれています。
伏見城の面影を伝える御香宮神社
伏見城の遺構のひとつが、御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ)の表門です。「黄門さま」として知られる水戸光圀の父、徳川頼房が伏見城の西大手門を拝領して寄進しました。神功皇后を主祭神とする御香宮神社は、安産と子育ての神として「ごこんさん」と呼ばれ愛されています。
862年に境内から香りのよい水が湧いて病に効くと評判になり、清和天皇に「御香宮」の名を賜ったとされています。湧き水は「御香水」と呼ばれ、明治以降は涸れていたのを1982年に復元 。環境省の名水百選に選ばれました。
1868年の伏見鳥羽の戦では、御香宮が官軍(薩摩藩)の屯所となりましたが、幸いにも戦火を免れました。
十石舟 | |
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乗船場 | 長建寺より東、河川沿い乗船場 |
運航期間 | 平成28年は3月26日(土)~12月4日(日)。 4・5・10・11月は毎日運航。8月の運航は13・14・15・16日のみ。 |
運休日 | 毎週月曜日(祝日を除く、ただし4・5・10・11月は月曜日も運航) |
三十石舟 | |
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乗船場 | 寺田屋浜乗船場 |
運航期間 | 4・5・10・11月の休日の一部(詳細はURLを参照) |
料金 | 十石舟・三十石舟とも大人1,200円(中学生以上)、小人600円(小学生以下)、幼児300円(小学生未満) ※運航期間・運休日・料金は変更になる場合がある。 |
電話 | NPO法人 伏見観光協会 075-623-1030 |
URL | http://kyoto-fushimi-kanko.jp/ship/ |
寺社名 | 御香宮神社(ごこうのみやじんじゃ) |
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住所 | 京都市伏見区御香宮門前町174 |
電話 | 075-611-0559 |
URL | http://www.kyoto.zaq.ne.jp/gokounomiya/ |
拝観時間 | 境内自由、石庭は9:00~16:00 |
拝観料 | 石庭200円 |