京都には、野菜を使った色々な厄除けの方法があります。毎年7月の土用丑の日には、いくつかの寺院できうり加持(きゅうり封じ)が行われます。一足先に行われた、神光院のきうり加持の様子を紹介します。
京都三大弘法の一つである神光院
神光院は東寺や仁和寺と並ぶ三大弘法の一つで、「西賀茂の弘法さん」の愛称で親しまれています。上賀茂神社の神職によって招かれた、大和国の僧侶・慶円によって、1217年に創建されました。またそれ以前にあった瓦屋寺では、弘法大師空海が42歳の時に90日間修行を行いました。空海は寺を離れる際、境内の池に映る自分の姿を見ながら木像を彫り厄除けを祈願したことから、厄除けの寺として知られるようになったのです。
旬のきゅうりを使った厄除けの秘法
きうり加持は、空海が中国から持ち帰ったと言われる真言密教の秘法です。暑さが最も厳しい7月の土用の丑の日にきゅうりに疫病や悩みを封じ込め、その後きゅうりを土に埋めます。きゅうりは水分が多く、腐りやすい野菜です。土に埋めることで、きゅうりと共に封じ込めた疾病や悩みも土に還ると信じ、受け継がれてきたのです。
多くの人で賑わう神光院のきうり加持
神光院のきうり加持では、まず祈祷申し込み用紙に名前や数え歳、病名などを記入します。受付で整理券が渡され、次の祈祷時間までに本堂へ。本堂中央には、一人一人の名前などが書かれた半紙で包まれたきゅうりが供えられています。御祈祷が行われ、最後にご住職から一つ一つきゅうりが手渡されます。きゅうりで体の悪いところを撫で、持ち帰って土に埋めて終了です。神光院には「きうり塚」があり、そのまま納めて帰ることもできます。今年の土用の丑の日は30日。きうり加持で無病息災を願いませんか?