立夏を過ぎ、暦の上では初夏に。この時期に草地で花を咲かせるカキツバタは、初夏の風物詩として古くから親しまれてきました。上賀茂にある大田神社のカキツバタが、見頃を迎えています。
上賀茂神社の摂社である大田神社
世界遺産・上賀茂神社の摂社である大田神社は、上賀茂神社から明神川に沿って社家町を10分ほど進んだところにあります。天鈿女命(あめのうずめのみこと)を祀り、長寿や縁結び、芸能上達などのご利益があるのだそうです。毎月10日の月次祭では、京都市の無形民俗文化財に登録されている里神楽が奉納されます。太鼓や鉦などの囃子の音から「チャンポン神楽」とも呼ばれ、歳を重ねた巫女が鈴を鳴らしながら舞い続ける様子は印象的です。


天然記念物のカキツバタを楽しむ
大田神社の境内には大田ノ沢が広がり、約2万5千ものカキツバタが群生しています。毎年5月上旬から中旬にかけて、艶やかな青紫色の花を咲かせます。その歴史は古く、平安時代の和歌に詠まれているほど。青々とした葉と花のコントラストが美しく、清らかな印象を与えています。


大田の小径を散策
境内を歩いていると、「大田の小径」の看板が。神社の裏手には、山を散策できるちょっとした小径があります。小高い山を登り、途中、見晴らしのよい場所から市内を眺めることもできます。小径は750m程と短く、季節の草木を楽しめます。カキツバタと合わせて、大田の小径へもぜひ足を延ばしてみてください。

