京都市内にある滝のなかで唯一「京都の自然二百選」に選ばれた「滝又の滝」。織田信長の甥にあたる僧の十界因果居士が仏門の修行をした地でもあります。
高雄よりさらに北上し、京北エリアへ
京都駅からは、JRバス高雄・京北線の「細野口」バス停で下車します。車では、162号線で高雄の先にある3つのトンネル(杉の里・中川・笠)を超えると、頭上に「滝又の滝300m先を右折」という標識。京北トンネルの手前にある信号を右折し、民家の間の細い道を抜けて川沿いに進むと、車数台が駐車できるスペースに出ます。


気軽に楽しめるハイキングコース
滝又の滝までは、清流に沿って歩くこと約20分。起伏が少なく、体力に自信のない人や子どもでも楽に歩けるコースです。森閑とした杉木立の道で、水の流れる音だけが響き渡ります。川には木の橋がかけられていますが、雨の後など滑りやすくなっていることも。ゆっくり慎重に渡りましょう。


落差20メートルの雄大な滝
岩の突起によって、二股に分かれて落ちていく美しい滝が現れました。「滝又の滝」と命名したのは、織田信長の甥にあたる僧の十界因果居士と伝えられています。ひときわ赤く色づいた紅葉のひと枝と木々の緑。秋ならではの鮮やかな絶景です。


1579年、日蓮宗と浄土宗の宗教問答「安土宗論」が織田信長の命により安土城下で開かれました。十界因果居士の判定で日蓮宗が敗北。その後、宗教弾圧が強化されたとか。3年後の本能寺の変で信長が亡くなると、因果居士は滝又の滝の上に洞窟を作って隠棲したと伝えられています。