11月も下旬となり、各地で紅葉が見ごろを迎えています。圓光寺でも境内が燃えるような錦に染まり、やわらかな苔に紅葉が敷き詰められます。
天空を自在に龍が奔る、枯山水「奔龍庭」
山門を入ると、平成の枯山水「奔龍庭」(ほんりゅうてい)が、圧倒的な迫力で眼前に広がります。渦を巻く雲海に見立てた白砂のなか、躍動感あふれる龍の姿。荒く切り立った石柱は、龍の周囲に光る稲妻をも表現しています。

悟りは自らのなかにあることを表現した「十牛之庭」
さまざまな色彩の紅葉と、苔や竹林の緑が調和した「十牛之庭」。牛を追う牧童が禅の悟りに至る道程を通して、悟りは自らのなかにあることを表現した「十牛図」を題材に造られました。近世初期の池泉回遊式庭園です。






開基、徳川家康を祀る東照宮
関ヶ原の合戦翌年の1601年、徳川家康は伏見に圓光寺を建立。学校として僧俗を問わず入学を許しました。圓光寺では、伏見版あるいは圓光寺版と称される儒学や兵法などの書籍を刊行し、出版に使用した日本最古の木活字を所蔵しています。
1667年、現在の一乗寺小谷町に移転しました。

本尊の千手観世音菩薩坐像は、鎌倉初期の仏師、運慶の作と伝えられています。千本の手は、あらゆる手を尽くして生きとし生けるものすべてを救済しようとする慈悲の心を表したもの。さまざまな思いを抱いて訪れる人々をあたたかく迎えます。

