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広沢池の「鯉揚げ」EC

冬の風物詩!広沢池の「鯉揚げ」

広沢池は、北嵯峨の大覚寺から東へ1㎞ほど進んだところにあります。豊かな自然に囲まれ、地元の人々の憩いのスポット。毎年12月の初めに行われる、「鯉揚げ」の様子を紹介します。

 観月の名所として親しまれていた広沢池

広沢池は周囲1.3㎞ほどのため池。平安時代にはこのほとりに遍照寺が創建され、池は大覚寺の大沢池とともに観月の名所でした。しかし遍照寺は衰退し、応仁の乱で廃墟と化します。後に復興された遍照寺が今も池の南にあり、北西には遍照寺によってつくられたという「観音島」が再現されています。

遍照寺
広沢池から南に300mほどのところにある遍照寺。989年に宇多天皇の孫である寛朝僧正によって創建された
観音島
広沢池の北西にある観音島には、先手観音像が祀られている。かつて遍照寺があった場所で「遍照寺旧境内」の案内板が見られる
 師走の恒例行事「鯉揚げ」

広沢池では、春の湖畔の桜や夏の灯籠流し、秋の水面に映る紅葉など四季折々の景色が楽しめます。水鳥も多く、優雅に泳ぐ姿をよく目にしますが、12月になるとその景色は一変します。

池では鯉などの養殖が行われており、毎年春に稚魚が放たれます。そして12月になると、池の水を抜いて育った鯉などを水揚げする「鯉揚げ」が行われるのです。

広沢池1
11月中旬の広沢池。池の北にある遍照寺山を映し込んでいた
広沢池2
鯉揚げ時には僅かな水を残すだけに
広沢池 - 水鳥
池には魚を狙う水鳥がたくさん集まっていた
鯉や鮒などの量り売りも

池の水はすっかり抜かれ、底が見える状態に。池のそばでは、水揚げされたばかりの鯉や鮒、えびやもろこなどが販売され、地元客をはじめ、料亭からも仕入れに来られるのだとか。それぞれ量り売りされ、初日から多くの人が訪れていました。

鯉揚げが終わると池の水は徐々に戻され、春先にはまた元の姿に戻ります。冬ならではの広沢池の景色は、もうしばらく楽しめそうです。

広沢池 - 鯉揚げ1
池の水を抜き、集まってきた魚を生簀の中へ
広沢池 - 鯉揚げ2
生簀の傍では、魚を仕分けたり洗ったりする作業が行われていた
広沢池 - 鯉揚げ3
干上がった池には看板が置かれ、販売所になっていた

基本情報

  • 施設名
    広沢池
    住所
    京都市右京区嵯峨広沢町

この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。