山科区にある、「伏見稲荷大社の奥の宮」とも呼ばれる折上稲荷神社。古くから働く女性の守り神として信仰を集め、今も多くの女性が訪れます。そんな折上稲荷神社の最大のお祭り、「折上稲荷祭」を紹介します。
最古の稲荷神社である折上稲荷神社
折上稲荷神社は、伏見稲荷大社と並ぶ最古の稲荷神社。711年に稲荷山に稲荷大神が降臨する際、折上の森にも降り立ったことが始まりと言われています。伏見稲荷大社とは、聖地と聖地を結ぶレイラインで繋がっていることから、「伏見稲荷大社の奥の宮」と呼ばれることも。境内には折神稲荷大神が降り立った根元地で、約1500年前の「稲荷塚」が見られます
江戸時代から働く女性を守り続けて
働く女性の守り神として信仰を集めるようになったのは、江戸時代末のことです。孝明天皇に仕える女官が相次いで病気になったため、折上稲荷神社で祈祷を行うと奇跡的に回復。「これからも女官たちが元気で働いてくれるように」と天皇は長命箸を奉納されました。以来「折り紙付きのご利益」と評判になり、多くの女性に信仰されるようになったのです。
女性も神輿を担ぐ折上稲荷祭
毎年6月の第一日曜日には、「折上稲荷祭」が行われています。年に一度、神様が神輿で氏子地区を巡行する大切なお祭り。元気いっぱいの子ども神輿と、大人が担ぎ手の迫力ある神輿が登場します。
午後1時半頃から神事が行われ、神輿に神霊が遷されます。まずは、子ども神輿が氏子地区へ。続いて、大きな神輿がたくさんの担ぎ手によって持ちあげられ、境内を回って差し上げを披露します。女人禁制の多い担ぎ手の中に女性が見られるのは、「働く女性の守り神」の折上稲荷神社ならではかもしれません。
ご利益が倍増する限定のお守りも
折上稲荷神社には、折り紙で作られた可愛らしいきつね守りがあります。一つ一つ神職の方が折り上げたもの。普段は、商売繁盛などのご利益がある「金のおきつね」と、災難除けなどのご利益ある「銀のおきつね」の二種類があります。そして折上稲荷祭の宵山と祭当日の2日間のみ、朱色の「稲荷祭おきつね」が授与されます。金や銀のきつね守りの何倍ものご利益があるとされ、今年も多くの人がこのお守りを授かっていました。