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「京都一周トレイル」で新たな魅力を発見! 
Vol.3:夏の東山コース(東山山頂公園~大文字山)を歩く

三方を山に囲まれた、盆地にある京都市。その山々を巡る「京都一周トレイル」は、4つのコース、全長約80㎞で、自然を満喫しながら歴史や文化にも触れることができます。東山コースは、伏見稲荷駅から比叡山ケーブル駅まで続く24.6㎞の最長コース。その中の、「東山山頂公園~大文字山」を紹介します。

山道を下り三条通りへ

東山山頂公園の近くには、将軍塚と大舞台が知られる将軍塚青龍殿があります。トレイルコースは、その大舞台の下を通って粟田口へ向かいます。浄土宗総本山の知恩院の裏手に差し掛かると、趣ある鐘の音が聞こえてきました。京都三庚申の一つである尊勝院の境内を抜け、住宅街へ。秋には盛大な粟田祭が行われる粟田神社まで来ると、三条通りは目の前です。

三条通りを東へ歩いていると、左手に大きな山門が見えてきます。真宗佛光寺派別院の佛光寺本廟で、境内には宗祖・親鸞聖人のお墓や、平安時代の刀士・三条小鍛冶の古跡があります。

将軍塚青龍殿(京都一周トレイル)
青蓮院の飛び地境内の将軍塚青龍殿。春や秋には夜間特別拝観が行われ、大舞台から素晴らしい夜景が楽しめる
将軍塚青龍殿 - 大舞台(京都一周トレイル)
山道は大舞台を見上げながら、知恩院裏手へと続く
尊勝院(京都一周トレイル)
青蓮院とゆかりの深い尊勝院。おみくじの創始者である元三大師像を本尊として祀っている
粟田神社(京都一周トレイル)
粟田祭は千年以上続くお祭りで、迫力ある剣鉾差しや大燈呂が見物
佛光寺本廟(東山廟所)(京都一周トレイル)
佛光寺本廟は東山廟所とも呼ばれている
近代化を偲ぶ産業遺産を見ながら

佛光寺本廟から地下鉄・蹴上駅の方向に進みます。駅の手前には、「ねじりまんぽ」というモダンなトンネルが。ねじったトンネル(まんぽ)という意味で、名前のとおりレンガが螺旋状に渦巻いています。

その上を通るインクラインのレールに沿って歩いていると、船と台車があります。蹴上インクラインは、京都―大津間を結ぶ運河で落差があり船が運航できない部分を、台車に乗せ運んでいた線路。当時の歴史を知ることができる、貴重なスポットです。近くには大きな灯籠があり、そこから日向大神宮へ坂道を上ります。

ねじりまんぽ(京都一周トレイル)
ねじりまんぽは、強度をあげるためにねじるようにレンガを配置しているのだとか
インクライン(京都一周トレイル)
南禅寺の船溜に向かって斜面に線路が続くインクライン。春には一面桜の花が咲き誇る
船と台車(京都一周トレイル)
蹴上の船溜近くには、復元された台車と船が見られた
日向大神宮1(京都一周トレイル)
疎水にかかる橋を渡り、山の方へ進むと日向大神宮に着く
大文字山を目指して

山の中にひっそりと佇む日向大神宮は、天照大御神を祀り「京都のお伊勢さん」として親しまれています。トレイルコースは石段を上り山道を進む従来のコースと、境内を通るコースの二手に分かれ、その先の思案処で合流します。

思案処から大文字山頂と記された道を行くと、途中山科の街が一望できる場所も。景色を楽しみながら、心地よい風が吹く山道をのんびりと歩きましょう。東山山頂公園から2時間半ほどで、大文字の四ツ辻に着きます。

日向大神宮2(京都一周トレイル)
従来のコースの近くには、日向大神宮の伊勢神宮遥拝所がある
思案処(京都一周トレイル)
道が六方向に分かれる思案処。丸太のベンチが置かれ、休憩場所になっていた
山科展望所(京都一周トレイル)
四ツ辻へ向かう途中、何ヶ所か道が開け見晴らしの良い場所がある
大文字四ツ辻(京都一周トレイル)
大文字の四ツ辻から、コースを離れ少し上り大文字山の頂上へ行くこともできる

基本情報

この記事を書いた人

risato
京都と猫が大好きなライターです。お寺巡りや美術館巡り、ハイキングやマウンテンバイクが趣味です。京都の新たな魅力と楽しみ方を求めて、市内のあちこちに出没しています。