三方を山に囲まれた、盆地にある京都市。その山々を巡る「京都一周トレイル」は、4つのコース、全長約80㎞で、自然を満喫しながら歴史や文化にも触れることができます。東山コースは、伏見稲荷駅から比叡山ケーブル駅まで続く24.6㎞の最長コース。今回は大文字山の四ツ辻から、瓜生山登山口までを紹介します。
沢の流れに沿って楼門の滝へ
大文字山の四ツ辻からは沢に沿って下り、「楼門の滝」を目指します。歩いているとだんだんと水の音が大きくなり、「俊寛僧都忠誠之碑」が見えてきました。後方に回ると、岩肌を流れ落ちる楼門の滝が。かつてこの地に如意寺があったことから、「如意滝」とも呼ばれています。
滝からさらに山を下ると、林道と合流します。その近くにあるのは、浪切不動尊を祀る鹿ヶ谷山瑞光院。境内奥には滝行場があり、楼門の滝から続く神聖な水が流れ込んでいました。
観光名所が集まる鹿ヶ谷
瑞光院からは、古刹が並ぶ鹿ヶ谷一帯へ。ノートルダム女学院を過ぎると、谷御所・霊鑑寺に着きます。皇室ゆかりの尼寺で、通常は非公開ですが春の椿や秋の紅葉に合わせて特別公開されています。
ルート沿いには中風除けのかぼちゃ供養で知られる安楽寺や、浄土宗の宗祖・法然上人ゆかりの寺で美しい方丈庭園が見られる法然院など、見どころがたくさん。銀閣寺の門前まで、ゆっくりと散策してみましょう。大文字四ツ辻から銀閣寺まで、1時間ほどです。
花を売る行商人「白川女」の北白川
銀閣寺門前から白川通に出て浄土寺橋を渡り、閑静な住宅街を進みます。北白川一帯は山中越(志賀越)の街道集落として栄えた場所。今でも趣のある家々が並んでいます。白川石や花の里として有名で、当時は行商人の「白川女」が京の街まで売りに出ていました。北白川天神宮はその発祥の地と言われ、境内には白川女の石碑が見られます。
北白川教会を過ぎると、目の前には日本バプテスト病院。そこから瓜生山の頂上へ、再び山道を行きます。