牛若丸が剣術の修行をした場所として有名な鞍馬寺で、6月20日、「竹伐り会式」が行われます。力をこめて刀を振り下ろし、太くて長い青竹をバッサリ。これには「災禍を断ち切る」という意味があると言われています。すがすがしい気分になり、なおかつ運気もアップで、おすすめの行事です。
「竹伐り会式」は、峯延(ぶえん)上人が修行中に大蛇を倒した故事にちなんだ、1000年以上の歴史がある祭事です。青竹を大蛇に見立て、僧兵姿の法師が刀を持って立ち向かいます。
江戸時代中期からは、その年の作物の豊凶を占うようになりました。法師たちが「近江座」と「丹波座」の組に分かれ(近江=今の滋賀県、丹波=今の京都府・一部兵庫県)、竹を5段に伐る速さを競い(勝負伐り)、速いほうの地域が豊作になるだろう、というわけです。
伐る時に落ちた竹の破片は魔除けになると言われ、終了後は観客、多くは子どもたちが急いで駆け寄り、拾い集めます。
竹ならしと勝負伐りのあいまには、雅楽の生演奏にあわせた舞楽も観ることができます。この舞は「還城楽」(げんじょうらく)というもので、作り物の蛇を持って舞うところにご注目。蛇が好物の西域の人が、蛇を捕えて喜ぶ様子を表現したものとされています。
寺社名:鞍馬寺
住所:京都市左京区鞍馬本町1074
電話:075-741-2003
(文:麻理)