三方を山に囲まれた、盆地にある京都市。その山々を巡る「京都一周トレイル」は、4つのコース、全長約80㎞で、自然を満喫しながら歴史や文化にも触れることができます。北山東部コースは、比叡山ケーブル駅から二ノ瀬まで続く17.9㎞のコース。今回は静原から、終着点の二ノ瀬までを紹介します。
昔ながらの暮らしが残る静原
静原は、鞍馬と大原の間にある静かな山里。小学校の横を通り、府道40号線から集落へと入っていきます。集落を流れる静原川で水遊びをする子どもがいたり、田畑で農作業をする人がいたりと、のんびりとした時間の流れを感じることができます。
しばらくして見えてくるのは、大きな御神木が印象的な静原神社。隣には児童公園があり、ちょっとした休憩場所にもなります。その先の小高い丘からは、静原の里を見渡すことができました。
急坂の薬王坂を越えて
静原から向かうのは、鞍馬に続く薬王坂(やっこうざか)。舗装された険しい坂道を上ります。途中、大きな木の根元から突き出すように建つ石碑が。「薬王坂弥陀二尊板碑」で、二体の石仏が彫られています。
石碑から5分ほど歩くと、薬王坂の頂上が見えてきました。そこから鞍馬方面へ、下り道を行きます。
牛若丸伝説の地へ
鞍馬に近づいてくると、電車の走る音や川の流れる音などが聞こえてきます。ルートは民家の裏手を通り、延命山地蔵寺前へ続いていました。鞍馬川に架かる橋を渡ると、土産物屋などが並ぶ鞍馬街道。鞍馬天狗や牛若丸伝説が残る鞍馬寺は、目の前です。
鞍馬から二ノ瀬の間は標識がありません。街道に沿って歩くか、鞍馬駅から電車を利用しましょう。静原から鞍馬までは、1時間半ほどの道のりです。