京都から高野山へお参りするため、昔から多くの人が行き交った東高野街道。石清水八幡宮の門前や洞ヶ峠を通る街道沿いで、何世代にもわたって愛されている美味しいお店を紹介します。
石清水八幡宮門前の名物、やわた走井餅老舗の「走井餅」
江戸時代中期の1764年(明和元年)に大津で創業された走井餅。湧水「走井」を用いて井口市郎右衛門正勝が飴餅を作りました。その茶屋は「東海道五十三次」の大津宿にも描かれています。1910年(明治43年)に石清水八幡宮のふもとへ引き継がれ、「はちまんさん」の名物として親しまれています。
北海道産の小豆を、つきたての滋賀羽二重米で包んだ走井餅は、昔ながらの手作り。羽二重は最高級のもち米といわれ、きめが非常に細かく粘りやコシがあります。
真清水の走井もちを二つ食べ (高浜虚子)
売り切れが多いので電話予約を! 志゛ばん宗の「ういろ」
江戸時代の文久年間(1861~1864年)に創業した志゛ばん宗(じばんそう)。「八幡名物手につく足につく」と言われたういろが評判で、遠方から買いに来る人も少なくありません。10時から販売され午前中に売り切れることも多いので、電話で予約してからの来店がおすすめです。
世代を超えて愛される、小谷食堂の「カレー中華」
お客さんの大半が注文する「カレー中華」は、地元の人のみならず八幡を訪れる営業マンにも人気があります。自家製の中華麺は柔らかめで、もちもちとした食感のストレート麺。カツオと昆布のだし、カレー粉のスパイシーさがともによく利いた和風カレースープに、豚バラ肉・ネギ・かまぼこが入っています。