「創業昭和12年で店内のインテリアなどほとんどが当時のまま!」といえば、喫茶好きならずとも一度は行ってみたくなるのではないでしょうか。アンティークな調度品に囲まれて、むかし懐かしいベロアのソファーにゆっくりと腰掛けながら、定番のモーニングと人気のフルーツサンドをいただきました。
昭和レトロな雰囲気にうっとり
喫茶「静香」は京の五花街・上七軒から10分ほど、千本今出川の交差点からすぐのところにあります。芸妓の“静香”さんがはじめたことからこの店名になったそうです。昭和の趣をここまで忠実に残す喫茶店は京都でも多くはありません。
2年前(2016年)のリニューアルを機に真っ赤に縁取りされた店構えは、以前よりポップな印象になりました。入り口ドアには、昔から変わらぬ見事な装飾が見られます。
花街がにぎわっていた時代には、芸妓さんもよくいらしたらしく、西陣の旦那衆と待ち合わせをしていたそう。ハイカラな店内で一服しつつコーヒーをすする芸妓さんの姿が思い浮かびます。
店内に一歩足を踏み入れた瞬間のレトロ感は圧巻です。モザイクタイルの床に、レトロ喫茶定番の小さなベロア張りソファー。ゆったりとしたジャズが流れるなか、地図を広げる観光客、店員さんと「おはよう」と挨拶をかわす、地元の常連さんと思しき人。それぞれがおもいおもいに過ごす心地よい空間です。
お得なモーニング
11:30までされているモーニングは2種類。ドリンク代にハーフトーストとゆで卵で+50円のモーニングサービスか、3種類のホットサンド、ミニサラダ、コーヒーで580円のモーニングセット。ホットサンドはチーズタルタルソース、ハムチーズピザソース、ハムチーズカラシマヨネーズの味が楽しめます。
今回、頼んだのは、ハーフトーストにゆで卵とコーヒーのセット。なんといってもサイフォンで一杯ずつ淹れられたブレンドコーヒー(おそらく深入り)が美味です。はじめはスッキリとした苦み、時間を経てコクがましていきます。
新しくなったフルーツサンド
看板メニューのフルーツサンドが今年(2018年)の4月にリニューアルしたとの話をうかがい、思わず追加注文。食パンというよりは、カステラのような味でふっくらしたパンに、季節で変わるフルーツがふんだんにサンドされています。そして、ホイップクリームとカスタードクリームの2種類がつかわれているというこだわりも。甘過ぎず、クリームにはフルーツの爽やかな酸味。ブレンドのコーヒーとの相性も抜群です。
京都御所から北野天満宮へ。そんな定番の観光コースのあいまにほっとひと息つきたいとき、ぜひ、「静香」へいってみてください。思わず長居してしまいたくなる心地よさです。ちなみに、第2・4日曜日が定休日ですが、北野天満宮の天神さんの日の25日は日曜日でも休まず営業しているそうです。