「はしもと珈琲」は、北大路通り沿い、今宮神社への参道入り口の脇にあります。一休和尚や千利休に縁のある大徳寺から歩いて10分ほど、さらに織田信長を祀る建勲神社からも5分という場所。京都喫茶の名店イノダコーヒの猪田彰郎さんのもとで修業された職人たちが焙煎し、丁寧にドリップする一杯をもとめて、観光客や地元の方でにぎわいます。
職人技の珈琲
喫茶メニューのオリジナルのブレンドは、北大路ブレンドとむらさきのブレンドの2種類。いずれも310円とリーズナブルです。北大路ブレンドは、やや深煎りの苦みの効いた一杯。むらさきのブレンドは、酸味と苦みのバランスがよいマイルドタイプ。今回は後者とハムトーストを注文しました。
むらさきのブレンドは、口当たりがよく、ほどよい酸味としっかりとしたコク。時間をかけて、ゆっくりと味わいたくなる一杯です。ハムトーストは、かりっと香ばしくトーストされたパンに、バターとマスタードの効いたスライスハム。コーヒーの邪魔をせず、あっさりとしていて朝食にぴったりといった感じです。
カフェ・オーレ、ウィンナーコーヒー、コーヒーフロートなどアレンジコーヒーや、チーズかチョコレートを選べるケーキセットもあります。
のんびりした空気の流れる店内。常連さんは次々に集まってきます。海外からの観光客と思しき人がちらほら。熟練された確かな腕で焙煎された豆を、丁寧にドリップした一杯は格別です。まさに職人技といった堅実さを感じる味わいでした。なにも知らずにふらりと立ち寄った観光客なら、そんな一杯に京都の喫茶文化の懐の深さを感じるのではないでしょうか。
お土産には、コーヒー豆と珈琲羊羹を
多彩な産地のシングルオリジンの豆、リキッドのアイスコーヒー、オリジナルブレンドの2種類の便利なカップオンタイプ(粉の入ったバッグを開いてマグのふちにおき、そのままお湯を注いで抽出できるものなど)は、自宅用のコーヒーやお土産にも最適です。そんな中に「珈琲羊羹」なるものもあります。羊羹の甘みと珈琲の香りの絶妙なバランス。素朴ながら飽きがこない、クセになる味です。
冒頭でも触れた珈琲職人として有名な猪田彰郎さん。京都の焙煎家なら知らない人のいないこの方の焙煎する豆が購入できる貴重なお店でもあります。なんとパッケージには、原田治さんのポップなイラスト。珈琲好きから観光客まで、是非とも訪れたいお店です。