美術館や平安神宮など、観光スポットが多い岡崎界隈。その一角に佇む料亭「六盛」のカフェコーナーでは、ふわふわの焼きたてスフレが人気を集めています。雰囲気ある落ち着いた店内で、美味しいスフレが焼きあがるのをゆっくり待ってみませんか。
観光地に店を構える老舗料亭
平安神宮の西、疎水沿いにある小さなお地蔵様を目印に細道を曲がれば、緑の木々に囲まれた風格あるお店「六盛」が目に入ります。こちらは100年以上の歴史を持つ老舗の高級料亭。商標も取っている名物「手をけ弁当」で名を馳せており、リッチな日本食を楽しみに多くの観光客が訪れます。店の周辺には有名な美術館や神社など、観光スポットがあちらこちらに点在。時間に余裕のあるときは散策しながら向かうルートがおすすめです。
琵琶湖疎水を臨める店内
料亭は昼前から営業していますが、併設の「スフレ&カフェコーナー茶庭」の開店は14時からとやや遅め。休日や桜のシーズンともなれば行列ができる人気店ですので、少し早めに到着し開店待ちをするのがベターでしょう。
開店すると、先着客から順番に中へと呼ばれます。席は、小上がりの座敷席とカウンター席の2種類があり、窓側の座敷は疎水の美しい景色を堪能できるため、ひときわ人気が高い場所。カウンター席は、正座に慣れない外国人の方などには嬉しい仕様です。
25分かけて焼きあげる本格スフレ
メニューは、紅茶やコーヒー、アルコールなどのドリンクと、店名にもあるスフレのみ。スフレになみなみならぬ力を入れられていることが伝わってきます。
スフレのフレーバーにはバニラやショコラといった通年のものの他、春のアプリコット、冬のストロベリーのような季節ごとに変わるものも用意されています。
六盛のスフレは注文が入ってから25分かけてじっくり焼きあげるという本格派。テーブルにはスフレの食べ方を説明しているメモが置いてあります。
お皿に乗ってふるふると揺れるスフレは焼きたてそのもの。時間が経つとしぼんだり味が変わったりしてしまうそうですから、写真撮影は素早く終わらせて熱々のうちにいただきたいところです。
味と食感、両方を楽しむ
六盛のスフレの食べ方は、スプーンで真ん中に穴を開け、別添えのソースを混ぜてそこに注ぎ、スフレと絡めて食べるというもの。メレンゲを焼いて作ったスフレはほんのりと玉子の味わい。そこに生クリーム風味のソースを混ぜ合わせると、なんとも幸せな甘さのスイーツが出来上がります。
優しい妙味だけではなく、ぜひ堪能してほしいのがその食感。口に入れればほろほろと儚く溶けていく独特の舌ざわりは、とても言葉では言い表せないほど不思議なものです。
そんな柔らかい内側に対し、さくさくの生地を楽しめるのが、直接熱を受けたスフレの外側。ひと通り中身を食べ終えたあとスプーンで潰し口に運べば、先ほどとはまた違った軽やかな食感を味わうことができるでしょう。
入店待ちとスフレの調理、ふたつの待ち時間がかかっても、なお食べる価値のある六盛のスフレです。