夏の朝に美しい花を咲かせる蓮は極楽浄土に咲く花と言われ、仏教と深い関わりがあります。蓮の名所で知られる、右京区花園の法金剛院を訪ねてみました。
季節の花が楽しめる寺
JR「花園駅」から、丸太町通を隔てたところにある法金剛院。平安時代初期に右大臣の清原夏野が建てた山荘を、没後、寺としたことに始まります。文徳天皇が伽藍を建立し「天安寺」となり、平安時代末期に鳥羽天皇の中宮・待賢門院が復興。その際に寺名も法金剛院と改められました。
律宗・唐招提寺に属していて、桜や蓮、嵯峨菊に椿など四季折々の花が見られる「花の寺」として親しまれています。
蓮に覆われた極楽浄土の庭園
法金剛院の見どころの一つが、極楽浄土を模した池泉回遊式浄土庭園。庭園北側には日本最古の滝石組である青女(せいじょ)の滝があり、苑池へと流れ込んでいます。広大な苑池は、一面蓮の葉で覆われていました。
蓮の花が開くのは、夜明けから午前中にかけて。毎年蓮の見頃に合わせて、早朝から拝観できる「観蓮会」が開催されています。
個性豊かな蓮の花を眺めて
観蓮会は朝7時から始まります。清々しい空気に包まれた境内では、蓮が大きな花を咲かせていました。苑池の傍には、蓮の鉢がずらりと並びます。90品種ほど育てられていて、いろいろ見比べてみても楽しそうです。
観蓮会は、2019年は7月28日(日)まで。蓮が咲き競う極楽浄土さながらの庭へ、足を運んでみませんか?